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医療費

「最近、心房細動の調子はどうですか?」・・・先日、法事で久々に会った義兄に聞いてみたら、「不整脈は今はずっとあるけどね、もう慣れたからあまり気にしないようにしているよ」との答え。安定している感じが読み取れました。「新しい薬が異常に高いので、『ワーファリンに戻してください』って自分から云っちゃったよ。だってもう定年退職して収入がないのにこの薬代の差はバカにならんよ」・・・続けてそんなグチも出てきました。採血検査が要らないのでワーファリンより管理が簡単でしかも重篤な副作用がないという売りで、心房細動に対する抗凝固剤(血液をサラサラさせるくすり)の新薬が発売されて数年になります。以前に比べるとこれを処方されている方も増えてきた感じです。ただ、薬価が高い。当たり前と云えば当たり前のことですが、毎日服用するものなのでバカになりません。そんな話をしていたらテーブルの向かい側から「ぼくなんか、喘息がある上に拡張型心筋症と椎間板ヘルニアでしょ。もうめちゃくちゃ高いよ、収入がないのに」と笑いながら従兄弟が話に入ってきました。みんな似たようなお年頃だから、病気の話を始めると終わらなくなります。

クリニックの先生などは別ですが、意外に大病院の専門医たちはお金のことを気にしません。おそらく若い先生は具体的に1錠何円なのか知らない(興味がない)のではないでしょうか。「いい薬」「夢の薬」と効能だけに目を向けて新しい薬が出るとすぐに入れ替えをしたりなんかします。「前のより高い」ことは知っているはずですが、自分で払うわけではないのでピンとこないのかもしれません。昔からある薬はものすごく安くて(あまりに安いから割に合わないという理由で製造中止になった薬も数しれず)、しかも意外に良く効きます。高性能の家電が出るとすぐに買ってしまうけど、実は自分の使う機能は昔の器械で十分で、電気代も上がらないとかいうのと同じかもしれません。国は高い薬のジェネリックにご執心のようですが、古くていい薬は世にたくさんあることをもっとしっかりPRしてほしいものです。

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