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ハンバーガーセットのフライドポテト

25年くらい前、夫婦で横浜に遊びに行ったとき、横浜駅構内にハンバーガー屋さんがありまして、そこで昼飯にハンバーガーのセットを注文しました。

このとき、私たちの座るテーブルのとなりにひとりの初老の男性。きれいな身なりという感じではない労務者風の男性でしたが、同じようにハンバーガーセットを買ってテーブルに置いたと思ったら、まず最初にフライドポテトに手を出しました。夫婦で見とれていると、むさぼるようにフライドポテトを食べ終わってから、一息ついてやっとハンバーガーを口にし始めました。それを見ながら夫婦で苦笑い。「なんで、ハンバーガーセットを買っておきながら、最初にハンバーガーを食べないんだろう?」・・・初めて見る光景に、さすが都会の人はハンバーガーの食べ方も違うんだな、と感心してみたり。それでもやはり、ハンバーガーを食べたいからハンバーガーを買ったのだから、まずハンバーガーを食べないと、他のもので腹を満たしてからではおいしさが半減するではないか、という思いは変わりませんでした。

ところが最近(滅多にハンバーガーは食べなくなりましたが)、たまにハンバーガーセットを買うと最初にフライドポテトから手を出すようになっているわたしが居ます。最初に芋に手を出すなんて、食事管理の基本に逆らっていますよね。でも、なぜかそうする方が落ち着きます。ポテトをくちゃくちゃ噛んで唾液を出しながら、これからの本丸攻略に挑む準備をしているかのよう。もしかしてこの作業、年齢とともに重要な儀式なのかもしれません。

もっとも、年甲斐もなくそんなこってりものを食べようとすること自体を自らの身体が拒否しようとしているのかもしれませんけれど。たまに食べると絶妙においしいんですよ、この悪魔のささやきが・・・。

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