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結果報告書の眺め方

人間ドック受診者さんの事前カンファレンスをやっていてとても気になったことがありました。多くの医療スタッフのみなさんはどうもHマーク(基準より高値)とLマーク(基準より低値)、あるいは判定結果(経過観察、要再検、要精査、要治療)にしか目が行ってないように思うのですが、いかがでしょうか。

「彼は食事内容も見直して運動も始めたのでデータがかなり改善しているけれど、まだ基準値に達してないからもうひと頑張りさせましょう」と云っているほかのグループのカンファレンスに聞き耳を立てながら、「その値なら十分なんじゃないの?」とこっそり心の中でツッコむわたしですが、先日はうちのグループのカンファレンスで「生活習慣の改善に取り組んだ結果だいぶ良くなりましたが血糖値は思ったほど変化ないのが残念です」という報告をうけた初老の男性のデータをみて、「あれ?」と思いました。糖代謝はもともと食後高血糖パターンの異常ですから改善してもしなくてもいいこと。ただ、今まで一度も基準値内に入ってこなかった(ずっとHマークだった)LDL(悪玉)コレステロール値が完璧なる正常値になっているのです。LDLが170~200だったのに140以下になっている。あまりに急に基準値内に入り込んでいる・・・これを最初に「おかしい」と気づいてほしいなと思いました。HマークとLマークに気を取られて「無印=正常」はアタマの中で黒塗りにされているのではあるまいか。

これまでも頑張っていたのにビクともしなかった異常値が突然目立たない値に”改善”したときは要注意なのです。こっそり何かを始めた(内服だったりサプリだったり)か何か特別な病気が発症したかの可能性があるから。コレステロールが急に下がったときは甲状腺機能亢進や悪性腫瘍のことがあります。単に食習慣改善の努力がやっと報われたのだろうと簡単に考えてはいけません。この方の場合は、よく聞いてみたら2週間前から内服を始めたそうで、「問診のときに云い忘れた」とか。一安心しました。

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