血圧とお酒
先日、受診された70歳の女性はとても自分に厳しくストイックな人生を送って来ておられました。そんなお方が云うのです。
「主治医の先生に提案されて晩酌を一切やめてみたのです。そうしたら血圧が下がって、今ではお薬はまったく飲まなくても血圧は正常です。これはやはりお酒の影響なのでしょうか?」と。だから、「きっとそうだと思いますよ。偉いですね、きっぱりお酒を止めることができて」とお答えしましたところ、「というか、夜には血圧が下がりすぎて気持ちが悪くなるんです。だから、ちょっと夜はワインでも飲んだ方が良いのではないかと悩んでいるところです」と意外にも深刻そう。
あまりに真面目に云われるからつい圧されそうになりましたが、それはやっぱり本末転倒ではありますまいか?タバコを止めたら太ってきたからあわててまた吸い始めることにした、というのと何ら変わりますまい。人間のカラダ、まずお酒ありき、ではございません。血圧が下がって気分が悪くなるのであれば、ストレッチ運動をするかさっさと床に就くか、カラダが快調過ぎてはしゃいでいるだけなのですから、すぐに冷静を取りもどしますよ。
それにしても、わたしにはできない芸当だから、尊敬しますわ。
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