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食事はバランス(1)

第20回日本心臓リハビリテーション学会(京都)で唯一聴くことが出来たランチョンセミナーは『動脈硬化性疾患予防のための食事療法のエビデンス』(昭和大学 木庭新治先生)でした。

血中LDLコレステロール値を上げる食事、下げる食事・・・本当に当事者も指導者も治療者も悩みの種ですね。実は血中LDLコレステロールが上がるか下がるかは肝臓にあるLDL受容体活性にかかっていて、受容体活性が高いと血中LDLが下がり、受容体活性が低いとLDLが上がるのだそうです。で、その活性に影響を与えるのが脂肪酸です。世の最悪人扱いされてる「飽和脂肪酸」が多いと受容体活性が低下しますから、血中LDLは増加する。なんか、まどろっこしいですけど、つまり、LDLコレステロールのたくさん含まれているものを食べるのも少しは弊害がありますが、それよりも「一緒に含まれるものが大事なのだ」と云うのが結論です。LDLコレステロールが多く含まれていても飽和脂肪酸が少ないものなら意外に血中LDLコレステロールは上がらないのだそうです。もうひとつ、「コレステロールの吸収率に個人差が大きい」と云うのも大事です。インスリン抵抗性が増すと吸収率が多くなるようですから結局はメタボや肥満が関与することになるのでしょうが、でも「10キロやせてもLDL値は下がらない」というのがわたしの経験的な印象です。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があって、不飽和脂肪酸は一価脂肪酸と多価脂肪酸がある。飽和脂肪酸よりも多価脂肪酸を取るのがいい。多価脂肪酸にはω6系とω3系があって、どうもω3系の方が予防効果は高そうだ。動脈硬化の敵、「トランス脂肪酸」は加工のための器械に使う硬化油にも含まれるし、反芻動物の肉にも入り込んでいるから、マーガリンとかだけが犯人でもないが、やっぱりポップコーンはいけないらしい。

(つづく)

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