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コーラのラッパ飲み

むかし、ある女性の受診者さんから云われました。

「もう二度とあんな病院行きません。だって散々待たせた挙げ句に診察室の若い医者はふんぞり返っているし、話の途中でコーラをラッパ飲みするんですよ。こっちは朝から食べてない上に、ずっと待たされてイライラしているのに!」

「コーラですか?」・・・さすがにわたしも耳を疑って聞き返してしまいました。「コーラです。こんな非常識な医者が云うことなんか聞いていられますか!」・・・最後はかなり切れ気味に興奮してそう云い放たれてしまいました。前の年に要精密検査の項目があって、それの受診歴を確認したときの会話です。

こんな会話をふっと思い出したのは、ちょっとした二日酔で気分が悪くて診察室でこっそりGREEN DA・KA・RAをラッパ飲みしているときでした。断っておきますが、わたしは「こっそり」ですよ。誰も居ないときに、です。で、考えたのです。その医者はどうしてコーラのラッパ飲みをしたのだろうか?と。ときどき看護師さんが気を利かせてお茶を診察室に持ってきてくれることがあります。いわゆるコーヒーブレイクといいましょうか。なにしろ朝から山積みのカルテをにらみつけながらしゃべりまくっているのです。のどは渇きますし、アタマは疲れます。カフェインを補充したいという目的なら、緑茶でもコーラでも似たようなもので、その若医者はいわゆる「コーラ中毒」だからお茶代わりにコーラを飲む習慣だったのでしょう。じゃあそのとき、患者さんの目の前で湯飲みに入っている緑茶をすすったら同じように怒ったのだろうか?コーラ=嗜好品=健康に悪いもの(あるいはモラルの低い飲み物)という先入観が勝った可能性はあるのだろうか?じゃあそれが、ペットボトルのお茶だったらどうだろう?ポカリスエットだったら?そして今わたしが手にしているGREEN DA・KA・RAだったら・・・。忙しくて休憩も取れない診察室の中でつい水分補給のために目の前の医者が口にしてしまうものとして、どのラインまで許してもらえるのだろうか?その前に、医者の態度がもっと紳士的だったら?あるいはラッパ飲みじゃなくてコップに注いで飲んだとしたら?

などと思ってみたわけです。いやいや、飲むなら裏で飲むのが礼儀。どんな理由があってもそれは許されませんけどね・・・とわたしもたまには仕事中にこんなことを考えたりなんかしております。

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