和食のはなし
最近、わたしは北里研究所病院の山田悟先生のDoctor's eye(MTPro)がマイブームです。今回も面白いお話を紹介してもらいました。
『蛋白質も食後の血糖上昇を抑制する』(MTPro 2014.8.18号)
これは2014.5.9の記事『和食の主食・主菜・副菜という構成には意味がある』を受けたものです。この話が面白いんです。日本女子大グループがBr J Nutr(2014;111)に報告したものだそうです。食事を4つの様式(S食=白米200gのみ、SM食=S食+木綿豆腐+ゆで卵)、SMF食=SM食+マヨネーズ、SMFV食=SMF食+ほうれん草・ブロッコリー)に分けて、メタボではない日本人成人男性に取ってもらって食後血糖を測っています。細かいことは読んでもらうとして、結局諸般の原因を経て、食後血糖の振れ幅が大きい順にS食→SM食→SMF食→SMFV食であったわけです。何を先に食べたとか、噛んだ噛まないとか、そんなことなど何の関係もなく、もちろんカロリー量とかどうでもよく、糖質に偏らずにおかずをきちんと食べると食後血糖上昇を是正できるということ、つまり主食に偏らず主菜(蛋白質と脂質)、副菜(食物繊維)を一緒に取るのが医学的に意義があるというわけです。デッカイ身体のメタボ腹の欧米人はカロリー制限が重要なのかもしれないけれど、さほど太ってもいない日本人の糖尿病はカロリー制限や脂質制限などよりも、きちんと主菜/副菜(資質を含む)を食べることを勧めるのが大事だと云うておるわけです。
そんな中で、今度は欧州糖尿病学会の機関誌Diabetologia(2014;57)に蛋白質が食後高血糖を抑制する効果があることを発表しています。詳細はいいとして、脂質も蛋白質も食後血糖上昇抑制効果があるのです。ここのところ、しっかりと意識して勉強しなければなりません。
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