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モラルハザード(1)

先日来、突発性難聴の治療のために近くの耳鼻咽喉科に通院しています。治療開始一週間目の再受診のときのことです。再検査を受けましたが残念ながら低下した低音域の難聴がほとんど改善していませんでした。「低音域だけだし発症すぐからの治療開始だからすぐ治ると思うけど、きちんとクスリを飲んでくださいね」と初診時に云った手前、思っていた経過を辿っていないことが苛立たしかったのか、担当医師はちょっと不機嫌でした。別にいいんです。治らないのは先生のせいでもわたしのせいでもないのですから。治療法の流儀は各クリニックで違っていても、治療プロトコールは決まっています。周りは「自分はこんな治療だった」「あそこは信用できない」などと吹聴してくれますが、わたしも医者の端くれ、受けている治療に何の不満もありません。ただひとつ残念だったのは、カルテを叩きながら云った最後の一言。「まだ、本当に耳が聞こえにくいの?」「そうですね、今朝からまた両耳とも詰まった感じで」「両耳じゃないでしょ! 右耳だけ悪いんだから!」

ステロイドの点滴をしてくれることになりました。別室の静かな部屋(ホテルの一室のような豪華な点滴室です)でリクライニングに座らされて、ひとりの看護師さんが点滴ルートをとってくれましたが、どうも自信がなさげです。案の定漏らしてしまいました。2度目も失敗。「点滴得意じゃないんだな、この人」・・・内心そう思っていたら、「その肘のところなら大きいのだけれど、そこに入れるとオシッコに行くとき困りますもんね。オシッコに行くかもしれませんて云いましたもんね」と云うので、「いいですよ、入るところに入れていただいて。さっさと終わって帰りたいので」と答えました。それで気が楽になったのか肘部に3回目の穿刺をしたのですが・・・点滴の落ちが今ひとつ。「どうだろう、痛いですか?」・・・点滴と穿刺部を交互に眺めながら私に聞きます。「何となくずっと鈍い痛みですね」「そうですか、腫れてないから大丈夫だと思うんですけどね・・・どうしましょうか?」「そんなこと患者のわたしに委ねないで自分で決めてくださいよ。点滴の中には重要なクスリが入っているんでしょ?一番太い血管に入れて、全開でその早さというのは普通じゃないと思うけど、それで大丈夫ですか?」「たぶん血管壁にあたっているだけだと思うんですけど」・・・どんどん自信なさげになる彼女。「どうします?」とまたわたしに振る。おまえ、こっちに責任転嫁するな!  (つづく)

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