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「冬眠の季節」

『睡眠のはなし~快眠のためのヒント』(内山真著)の追記をもうひとつだけ。

第5章 季節の変化と睡眠

この章の中の「冬眠の季節」というおはなしが面白かった。「夏が過ぎ、秋の気配を感じるようになると、外来を訪れる人たちから「このところ、長く眠っているのに眠った気がしない」という声を聞くようになる。この状態を、どうも夏の疲れが残っているのが原因だと思っている人が多い。しかし、実は、こうした症状は冬に備えるための生き物としての仕組みによるものなのだ」って、知っていましたか?

つまり冬眠の準備です。冬眠に備えて秋はたくさん食べたくなる。脂肪がすぐに蓄積する。食べ物が減るから徐々に寝る時間が増えてエネルギーを使わなくなる・・・熊の冬眠準備は生体が初めから備えている適応機能ですが、人間も冬眠する哺乳類と同様の身体機構が生まれつき備わっているのだそうです。食欲の秋、感傷的に浸る秋は、やむを得ないのです。そのまま秋から冬にかけて抑うつ状態になり、睡眠がだらだら長くなり、過食してぐーたらしてしまうのが「冬季うつ病」なわけですが、これもまた自然の流れなのかもしれません。この心身の季節変化をコントロールするのは、温度ではなく「日の長さ」なのだそうです。最近のような異常気象が続くようでは気温はまったく当てになりませんが、地球の動きが変わらない限り、日の長さの季節変化は普遍的ですものね。よくできていますよね。

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