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運動禁忌?

くだんの研修会で、結局ずっと納得がいかなかったことがあります。研修会の実習事例は、血圧が150/100mmHg弱くらいで糖尿病があって、肥満で高中性脂肪血症の中年男性でした。「これは基本的に運動禁忌なわけだから、『まず運動』はダメですよね」と云ったら、その場にいた複数のドクターから苦笑いされました。「まだこの値なら運動禁忌にはならないでしょう。有酸素運動させれば絶対大丈夫。有酸素運動は血圧が上がらないから安全だから」と。さらに、最後の運動の専門家のレクチャーでも同様のことを云ってました。「高血圧の方は有酸素運動をするのが一番有効で安全です」と。

たしかに日本医師会の運動療法判定基準によると、運動禁忌は「180/100mmHg以上」です。でも、この事例は明らかな糖尿病を合併しているのだから、血圧がI度であっても「高リスク群」になります。高血圧の運動療法の手引きによると「高リスク群の運動療法は禁忌」というか、「高リスクはまず薬剤による降圧治療」とガイドライン上決められているのではないのでしょうか。わたしだって循環器内科医の端くれ、実際には運動前の血圧がどうであれ有酸素運動をする限り事故はまず起きないだろうことは経験上知っています。でも、死の四重奏は心筋梗塞発症率35倍、「今日の帰りに突然心筋梗塞で倒れても驚かない、ってことですよ」と堂々と伝えなければならない超重症者なのに、そしてガイドラインでもそう書いてあるのに、専門家たちが「この程度は運動しても大丈夫ですよ」って云って本当に良いのだろうか?・・・わたし、何か間違って認識していますか?

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