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2014年9月

運命のタイミング

木曽の御嶽山の突然の大噴火で犠牲になった皆様のご冥福をお祈りするとともに、そのご家族の方のお見舞いを申し上げます。

最近は各自のスマホや携帯写真機の性能が高くて、噴火直後の画像がメディアにたくさんあふれています。山頂付近で大きな噴煙にまさに襲いかかられる寸前の登山者たちの写真やら、逃げ惑う登山者の動画やら・・・。こういう自然の惨事を見るにつけ、『運命のいたずら』は残酷なものだと思います。ちょっとしたタイミングの問題。朝から出てきて山頂を征服したまさにそのときに起きた惨事は、ちょっと出遅れてまだ山腹に達していなかった登山者やすでに下山中の人たちの命は奪わなかった。それは運命的なもので、いかんともしがたい。この日を選ばなかったらとかあと少し電車に乗り遅れていたらとか、後悔はつきませんが、運命はそんなものではないように思います。

航空機事故も然り。急用ができて搭乗をキャンセルしたがために無事だったヒトがいれば、そのキャンセルのために空いた席に滑り込めて命を失ったヒトがいるはず。わたしは基本的に運命論者ですから、こんな命のタイミングは『運命のいたずら』ではなく、『必然』だと思っています。なるべくしてなった結末だからいかんともしがたいもの。だからそれに周りがどんな後悔の念を抱いても無駄なこと、と思うことにしています。富士山が不穏だから関東の出張を控えてほしいと周りは云うかもしれないけれど、出張中に阿蘇の大噴火が起きて、出張しなければ興じていたであろう阿蘇のゴルフ場が修羅場になるかもしれないのです。確率と何の関係もないピンポイントの抹殺劇。煩悩の塊の小市民だからそう簡単には悟れませんが、それでも半端な運命論者でありつづけたいと思います。運命の駆け引きだけは、自然現象とやっても到底勝ち目はないのですから。

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付け刃の勉強?

来月に専門医試験を受けるために問題集を使って勉強しているのですが、これがなかなか強敵で、今のところ正解率50%を切っております(泣) それでも、この歳になるとなかなか新たな勉強などはしないものなので、いい機会だと思ってがんばっています。正直いって、何度読んでも覚えられないのですけれど。

この試験にすでに合格している同僚医師が云うのです。「大丈夫ですよ、この問題集の内容だけやっておけば、付け刃の勉強でも合格しますから」と。そのことば、気持ちは楽にはなるのですけれど、何か腑に落ちないのです。学生時代の期末試験や卒業試験もそうでした。先輩筋の試験対策コピーを集めまくって、「これだけやっておけば合格するから」という情報のおかげで、合格はしたけれど全く知識になっていない。わたしの人生、こういうことばかりやりながらうまいことすり抜けて来た気がしますけど、何も身になってません。せっかく、貴重な時間を試験勉強に費やすのだったら、せめて勉強した内容が日々の業務の足しになるような、そんな勉強時間にしたいものです。

と、書いてはみたものの・・・理想と現実はかけ離れるのが世の常。同時進行で試験の一週間後にある講演のスライド作りも行わなけりゃならないのだ、とか思うと、結局付け刃になってしまうのだろうかな。こんな文章書きでアブラを売っている時間があったらそれを試験勉強に費やせばいいのですけれど・・・。

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脂肪と糖尿病をめぐる話題

厄介で面倒くさい話題が今年の欧州糖尿病学会の報告から配信されてきました。

高脂肪の乳製品で2型糖尿病リスク低下

スウェーデン・Lund University Diabetes CenterのUlrika Ericson氏らの報告は、高脂肪の乳製品(バター・牛乳・ヨーグルト・生クリーム・チーズなど)を摂取している人は2型糖尿病になりにくいというものです。不飽和脂肪酸がいいとか植物性脂肪がいいとかいうことではなく、乳脂肪が良いのだと。精肉や加工肉は脂肪含有量にかかわらず2型糖尿病になりやすさが増すのだけれど、実は脂肪含有量が少ない肉ほどなりやすさが増す、つまり赤身肉の方が霜降り肉より2型糖尿病になりやすい、というのです。低脂肪乳製品をたくさん摂ってもダメで、脂肪をたくさん含む乳製品がいいのだ、と。

糖尿病患者、週に12個の卵を食べても大丈夫?

「糖尿病患者を、卵を週に12個摂取するグループと週に2個未満とするグループに分け、3カ月後に比較したところ、両群に有意な差は認められず、むしろ卵を多く摂取した群でHDL-コレステロール(善玉コレステロール)値が改善した」という報告をしたのはオーストラリアThe University of SydneyのNicholas Fuller氏ら。卵を制限しなくてもいいぞ、という内容ですが、そんなにこだわることなのかしら。

どっちも、もともと遊牧民族のデータですからね。根っからの農耕民族である日本人に当てはまるのかどうかは存じませんが、食べ物の研究はどうしてこう極端なのでしょうか。もちろん極端にして比較検討しないと真実はわからないのでしょうけれど、ファッションショーじゃあるまいし、実際にはその他にもいろいろ食べ合わせるわけです。あれがいいとかこれが悪いとか、そんな一品一品の理屈はどうでもいいように思うのです。結局は、量であり、食べ方なのではないかと。

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一服

「ちょっと一服しようか」と云ったら、「あれ、先生もタバコを吸うんですね」と云われてしまいました。『一服』を『タバコを吸うこと』と思い込んでいる若者は意外にたくさんいるようです。たしかに辞書を見ても、「茶やタバコをのんで、休息すること。ひと休み」とあります。でも、本来は一服とタバコとは関係ありません。「お茶でも飲んで一休み」、ということ。語源は抹茶にあって、『栄西が時の将軍源実朝の二日酔いの快復に一服の抹茶を呈茶し、即時に快癒したこと』が事の始まりだとか。「おい、ちょっと一服しようぜ」と云って棟梁が縁側かなんかに腰を下ろしておもむろにキセルをくわえる姿を思い浮かべる人も少なくないでしょうが、もっと詳しく想像すると棟梁の横にはちゃんと湯飲み茶わんのお茶が置かれているはず。お茶を飲む→お茶を飲みながら一休みする→お茶を飲みながら一休みしてタバコをふかす→タバコをふかしながら一休みする→タバコを吸う。こういう変換がなされてきたわけで、もともとタバコは男が大人になった証でもあったことを考えると、粋でいなせな男衆が作り出した文化なのかもしれません。

だから逆に、「一服しましょう」と云うと、喫煙を奨励するのか?と色めき立つ人たちも出てきます。『一服』は『ひと休憩』か『お茶を飲む』のことだ、と反論すると、「それは、『お茶する』って云うんです」と来たもんだ。禁煙運動を広げるためには、この際、『一服』という人騒がせなコトバ自体をスッパリ抹消させてしまった方が良いのかもしれませんね。

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黙ってりゃいいのに

日曜日に庭の草刈りをしました。秋になったとはいえ小一時間やっているとそれなりに汗をかきます。地面に這いつくばって草を抜いていると、やぶ蚊が耳元にやってきて、耳元でブンブンブンブンとうるさいことといったらありません。ブンブンとうるさいから『蚊』と書くわけですが、どうしてわざわざ耳元にあいさつしに来るのでしょうかね。気づかれないようにそっと近づいて来たら、思う存分血を吸えるでしょうに。音を立ててやってくるから叩き潰されるんじゃないのかしら。

そんなことを思いながら、今回も無事に草刈りが終わりました。虫よけスプレーの効果もあって、ブンブン云われた割にはどこも刺されずに済みました。夜になって、「あいつらバカだよね、黙って吸えばいっぱい吸えるのに」と妻に話しましたら、「わたしはそんなことないよ。どれだけ虫よけスプレーかけていてもまったく気づかないうちにカラダ中が蚊に刺された跡だらけになってる・・・」と云われました。なんだ、あいつらもヒトを見るのか。というか、羽音が聞き取れない妻の耳がおかしかったりしないのかしら?とちょっと心配。

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台風16号

本日は、ほとんど力のなくなったとはいえ台風くずれの嵐が接近中の大阪出張中。

ということで(関係ないか)、今日はお休みします。

無事に帰れますように。

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知ることは幸せなのか?

検査技術はソフトもハードも本当に進歩しました。心臓を栄養する血管(冠動脈)の流れが落ちると狭心症や心筋梗塞を起こす危険性がありますが、その冠動脈の状態を画像で写す方法は、以前は冠状動脈造影(直接入り口まで管を入れて造影する)しかありませんでした。でも今は外来で行えるCT検査やMRI検査でもきれいに写し出されるようになってきました。だからうちの施設でも、これらの検査を人間ドックで行いたい、と色めき立っています。

ただ・・・わたしはどうしても乗り気になれません。それがスクリーニング検査として(人間ドックなどで)見つかることでどんな得があるのか?今にも詰まりそうなくらいの厳しい狭窄が見つかると大事に至る前に治療できる。それはすばらしい事ですが、そんな病変があるならきっと運動負荷心電図検査でも異常が出ます。それをみつけて専門医療機関を紹介しても遅くありません。運動負荷検査で異常があった場合、必ずしも冠動脈が狭いとは限りません。それの区別をするのにこの検査は有効かもしれません。でも、それではこの検査で異常がなかったらどうなのか?「心臓は大丈夫です」なのか?答えは「ノー」です。心筋梗塞の70%は狭くない血管で起きます。狭心症には血管の痙攣や細い血管の病変が原因の場合もあります。つまり、「狭くなかった」=「心配要りません」ではないのです。さらに、それでは中途半端な狭さがあった場合はどうでしょう。臨床的には問題はありません。でも、「大丈夫です」という無責任なことばを、人間ドックの結果説明医師が云えますか?わたしは、口が裂けても云えません。

冠動脈CTで石灰化が見つかっただけでもいい気はしませんし、気味が悪いです。症状もないのに自分の冠動脈の狭窄度を知ってしまうこと・・・それを予防医療の世界でやってしまうことは、狭くても狭くなくても、本人にも周りのヒトにも何の得もない、というよりむしろ不幸なことなのではないかと思うのです。

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未来予測

最近は健康に関する諸データがコンピュータで管理され、大人数の健診データや臨床データをデータベースにして評価することが可能です。過去5年、10年のデータベースを使って、ある病気のリスク評価をしたり、いわゆる「○○年齢」を表示したりすることができます。健診の現場でも、がん発症リスクだけでなく心血管疾患のリスクや認知症リスクなどを要望する受診者さんが増えてきました。

でも、最近思うのです。そのデータベース、本当に意味があるのでしょうか?5年前、10年前のデータを元にして病気のなりやすさを予測するわけですが、その5年前、10年前のデータが本当に5年後、10年後に通用するのでしょうか?これだけ早いスパンで生活様式が変わっていく現実です。10年前の食事や日常生活と10年後のそれが同じである可能性はほとんどない現実の中で、”10年前”は明らかに大昔です。

現在の生活様式や社会情勢が同じと仮定した場合に・・・と、国家予算や税金・年金の未来を想定するときによく使われる単語。これが、健康に関する未来予測でも必ず付いて回る仮定になります。ということは、「〇〇年齢」とか、「予想寿命」とかいうのは、将来を全然予測しいないことになる、と思いませんか。

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早食い

「別に早く食べようと遅く食べようと、この弁当しか食わないんだから、一緒だろ?」とか文句を云いながら、弁当屋さんから届けられた昼の定食を同僚の心臓外科医とむさぼるように食っていたのは研修医の頃でした。「むかしから、”早メシ、早グソ、芸のうち”と云うじゃないか」とうそぶきながら。

食べる速さはメタボと関連~日本の横断的研究」という記事がCareNetの配信で届きました。国立国際医療研究センターの長濱さつ絵氏らが日本人における食べる速度とメタボリックシンドロームとの関連性を横断的研究で調査したもので、食べる速度がメタボリックシンドロームと関連し、この関連は主に食べる速度による体重の違いで説明されるそうです(BMJ誌2014年9月5日号)。

「早食いは満腹中枢を刺激する前に食べ過ぎてしまうから太る」という理屈から、早食いのヒトは太っている(または太っているヒトは早食い)と云われていたので、冒頭のグチが出たわけですが、今は食後高血糖があるかないかで吸収率が変わることがわかっており、同じ量を食べるにしてもきちんと噛み込んで食べるかどうかが肥満に大きな関連があると云えましょう。だから、「食べる速度はメタボリックシンドロームと有意な正相関を示した」とか「メタボリックシンドロームの要素のうち、腹部肥満が食べる速度と最も強い関連を示した」とかいう結果は想定の範囲内です。ただ、この肥満の要素を調整してしまうと生活習慣病因子との関連性が一気に薄れる中、「遅い」と高血圧や男性の高血糖になりにくく、「速い」と男性の脂質異常に有意に影響を与えたという結果には興味があります。つまり、特に男性の生活習慣病には、太る、太らないとは関係なく、「ゆっくり食べる」が有効であることを物語っているわけです。

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主治医は酒好き

先日受診された男性は、γGTPが130を超えていたので「要精密検査」の指示が出ていました。でも、毎年同様に3桁のγGTP値であるし、どちらかというとこれでも例年より軽減している値だったので、結果説明をするときに「経過観察」判定に変更してあげました。

「え、いいんですか?」と受診者の男性。「まあ、犯人が何なのか正式には分かりませんし、改善しているとはいえ、それでも普通の3~4倍はあるので飲酒や食生活には十分注意してくださいね」とわたし。そうしたら、彼が恐縮気味に口を開きました・・・「数年前にホームドクターに聞いてみたら、『酒飲みの中にはこんな数値のヒトはザラに居るから心配は要らん』て笑われたんですよね」「ははは、その先生、きっと酒好きですね」とそれを聞いたわたしも思わず笑いました。

酒のせいでγGTPが上昇しているなら、それは「自分のカラダに酒が合わないから入れないでくれ」というカラダからの嘆願です。本来なら「だから酒を控えた方が良いですよ」というのがスジ。でも、自分が止められないでいる、しかも自分も若干肝臓が気になるなら、「そのくらい気にしなくていいよ」って、云うでしょうね。自分に云って聞かせるかのように・・・(笑)

ま、そういうわけだから、ほどほどに控えた方が良いと思いますよ。わけあって、わたしからもこんな控えめなアドバイスしかできませんが(笑)

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おつり

消費税が8%になってから、財布の中に小銭がすぐに増えてしまいます。3%のときに経験しているのでそれなりに慣れてしまって、そんなに気にならなかったのですが、いつだったかTV番組で人気の予備校教師が「わたしは、自分の財布の中に1円玉4枚と5円玉1枚と10円玉4枚と50円玉1枚と100円玉4枚と500円玉1枚より多くなることは絶対ありません」と云っていたのを聞いてから、ちょっと自分でも意識してみています。たしかに、きちんと考えながら小銭を出せば、どんなに多くてもその枚数以上になることはありません(レジがおバカじゃない限り)。

「そんなことどうでもいいじゃないか。レジで時間をかけて後ろのヒトに迷惑をかけることを考えたら、財布がちょっと膨らむくらいどうってことないだろ!」と思っているあなた。そうでもありません。こういう何気ないアタマの使い方、意外に簡単な認知症予防になるのではないか、と実感できています。第一、この枚数しか入ってない財布だと、この程度の計算は意外に簡単にできます。

もっとも、150円の路面電車に往復で乗るためにわざと50円玉を2枚作る、なんてことも当然ありますけど・・・。消費税が10%になるまでのわたしのささやかな楽しみになっています。

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健康は金で買う?

どうも最近、わたしは何でも穿って考えるイケズなオヤジになってしまいました。

高所得国は心血管リスク高いが発症少ない/NEJM』(Care Net配信 2014/9/10)

心血管リスクは、低所得国が最も低く高所得国が最も高いにもかかわらず、実際の心血管イベント発生率や致死率は、高所得国が最低で低所得国が最高である。背景として、高所得国では予防的薬物治療や血行再建術の実施率が高いことがあるから、というものです。

いやらしいでしょ?金持ちの国は、前もってしっかり薬を飲んでいる人が多いし、いざとなったら先進的な治療を受けることができるから、「金で健康を買う」ことができている、それが現実であり、いかんともしがたい事実である、という結論だというのです。

そうですか?貧困国では健康についてのいろいろを教育される環境がないし、衛生環境も悪い。食事は安くて腹いっぱいになるもの・・・昔はそれが健康食の代表の食材だったけれど、今は質の悪いファストフード系・・・ばかりを食べるということは関係ないのかしら。リスクスコアが高所得国の方が高いから、そうじゃないと云いたいのでしょうけれど、高所得国の方が健康意識は高いはず。悪いやつは悪いけど、ちゃんとしているヤツはちゃんとしている。てのではいけないのかしら。

じゃないと、つまり今を生き延びる方法は、健康のために生活習慣を見直すなんて無意味なことをせずに、好き放題していても良いから、有効な薬やサプリをしっかり飲んで、大きな医療機関や医者と懇意になっておけばいい、という結論になるんですよ。良いのか、それで?

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知ったこっちゃない。

「病院なんか、行きませんよ。いいんです、長生きしたいとは思わないし、あと5年も生きたら十分ですから」

数か月前に産業医として面談した、糖尿病バリバリなのに野放しにしている50歳代の男性がこんなことを云っていまだに病院受診してくれない、と先日、担当保健師さんがぼやいていました。「まあ、行かないだろうな」と思いながら面談したので、わたしは別に驚きはしませんでしたが、健康管理担当者としては、彼の5年後、10年後の健康のことなんてどうでもいいから、”今”病院受診してほしいんだ、というのが本音です。本人の人生は本人の勝手、好きなように生きてくれて何も支障はない! ただ、この会社で給料もらって働いている間はこの会社のやり方に従う義務があるわけで、あんたはどうなってもいいのだけれど、もし在職中に何かあったら会社の責任、担当者の責任になるのだから、「たのむ! ここで働いている間だけでもちゃんと治療受けてくれ! 辞めたら治療も止めていいから」と、土下座してでもお願いしたい気分なんですよ。

みなさん、ホントやさしいから、「あなたの人生のために」なんて云っているけど、もっとホンネでゴリ押しすべきなんじゃないのかしら。「そんなこと、知ったこっちゃねえよ!」て相手が云うなら、それを会社のトップに伝えて、さっさと辞めさせるべきでしょう、ホントはね。

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検挙率

先日、スピード違反の取り締まりについてちょっと云い合いになりました。警察は、事故を未然に防ごうなんてこれっぽっちも思っていない。その証拠に、スピード違反をしそうな場所に隠れて違反するのを確認して捕まえる。もし、彼らが主張するように「命にかかわる危険運転をしないようにスピード違反の取り締まりをする」というのであれば、危険そうな場所に堂々と立っているかパトカーを停めておければいいだけのこと。人形じゃダメだけど、ナマ警察が立っていればみんなちゃんとスピードを落とします。事故なんて起きません。あるいはオービス・・・どう考えてもクマかタヌキくらいしか飛び出してこないであろう山の中の真っ直ぐな一本道につけないで、危険そうな道に取りつけておけばみんなちゃんと安全運転します。事故は未然に防げます。その余った人件費を、携帯電話のながら運転や飲酒運転の取り締まりに当ててしまえばいいことです。

そんなこと、誰だってわかっているのになぜ旧態依然とした”ネズミ取り”をいつまでも平気で続けているのか。それは、その罰金が国家予算だからでしょう。そして、いつも問題になる警察の競争意識・・・都道府県別に出てくる検挙率や検挙数で自分の県が劣っては恥ずかしいというもの・・・でしょう。だから根も葉もない水増し実績を報告したり、調書を捨てて事件件数を減らすような子どもじみたウソつきを平気でする体質のままなのです。明らかにガキでしょ?それでも、当事者はスピード違反という罪を犯しているから文句も云えない、だから上から目線で権利を主張する・・・ガキと云うよりヤクザだね。検挙率じゃなくて事故発生率を競うべきじゃないかしら。あるいは逆に、もっと堂々と「運転者の命なんてどうでもいい。金が欲しいんだ。だから、容赦なく取り締まるぞ!」と主張すれば良い。それの方がはるかに潔いと、わたしは思います。

昨日、あれだけ悟りのおはなしを書いたばかりだというのに・・・つくづく反省。わたし、まだまだですね。

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なんか少し分かるようになってきたぞ、般若心経

先日、facebook仲間のJさんに紹介された般若心経の現代語超訳のページがとてもわかりやすくて、ついそのホームページの先頭に行ってそのまま一気に読みあさってしまいました。真言宗豊山派 もっとい不動密蔵院の名取芳彦さんというお坊さんがウェブにアップしている般若心経の解説書『・・・なんだそうだ、般若心経(ウェブ連載)』なのですが、本人が、”日本一(?)わかりやすい般若心経のよみもの”と書いているだけのことはあって、ほんとにわかりやすい、というより、”おもしろい”という印象でした。

「般若心経がわかるようになるのが人生最大の望み」と、写経のひとつもしたことがないのにあちこちで云い回っているわたしは、それなりに般若心経のわかりやすい解説書を探し回ってきました。高名な僧侶が一般の人に紐解いてくれた解説書もあれば、漫画家さんが漫画にしてくれたものもあります。で、どれも物足りなかった。「理屈は分かる。でも、どこか実態(実感)がわからない」というもどかしさ。「色即是空、空即是色」なんて、理屈は簡単。「世の中のすべてのものが空だから、実態のないものだから、欲望に浮かれていても何の意味もない」ということでしょ。でも、ホントにそんな陳腐なはなしだけなの?もっとホントは深いんじゃないの?と疑っている自分がいる一方で、とりあえずやっぱり宝くじは当たってほしいと願う。

それなのに今回、この芳彦和尚のことばがすんなり入ってきました。これは、たしかに文章もすぐれているのでしょうけれど、もしかしたら、自分が変わってきたのかもしれません。若いときには「単なる現実逃避なのでは?」と不安になった行為も、歳とともに「真理はこっちだな」と少しずつ実感できるようになる。「それを枯れてきた、って云うんだよ」「もっとギラギラしていないと歳取るよ」という云われ方をしながらも、そういう雑音があまり気にならなくなっている自分・・・今なら、むかし読んだ本を読み返しても同じように理解できるかもしれない、と思ったりします。とにかくこの本(ウェブ連載)、おもしろいから、何度も読み返してみたいと思います。

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もっと謙虚になりたまえ

例の、二回に一回再起動を余儀なくされるわたしの職場のパソコンですがね。その始業態度は相変わらずなのですが、それでも二回続けて再起動させられることはないので、落ち着いていると云っていいのだろうと思います。

ただね、その起動直後にパスワードを入れると、ときどき「そのパスワードは登録リストにありません」って云って突き返すのやめてもらえんか? 2、3回繰り返すと何事もなかったかのように進んでいくので最初は自分の入力ミスかと思って恐縮していたんだけどさ、違うだろ? だって、初めからきちんと確認して入力したり、コピペしたりしてみても同じことやらかすもん。起動直後でまだ準備が整っていないだけだろ?

だったらさ、準備が整うまで入力を要求しないか、あるいは「まだ準備が整っていないので受け付けられません」とかいうメッセージにすべきなんじゃないの-? 相変わらずの上から目線は止めたまえ!まあわたしはキミが融通のきかないバカヤローだということを熟知してしまったから、「登録リストにありません」のメッセージが出るたびに、「はいはい、そんな見栄なんか張っちゃって」て微笑んで見守ってやる余裕かましてるけどね。

こういうヒト(わたしのパソコンみたいな見栄張り)、世の中には意外にたくさん居ますよね。もっと謙虚になった方がみんなに好かれると思うよ、ってヒト。わたしはそうなっていないかしら? まさしく、「機械のフリ見て我がフリ直せ」じゃわ。

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年齢と睡眠時間と糖尿病

昨年来、睡眠時間が短いと生活習慣病になりやすいというデータはかなりポピュラーに公表されています。今回、新潟大学から発表された研究でも、睡眠時間6.5時間未満では7時間以上のヒトより糖尿病発症リスクが高いことが示されています(Diabetic medicine オンライン版2014/7/30号)。

『新潟ウエルネス研究』と称する今回の報告がおもしろいのは、これを年齢別に8年間追跡したことです。実は、6.5時間未満の睡眠時間が糖尿病発症リスクとして認められるのは45歳以下の若い世代のことであって、年齢が上がるほど短時間睡眠の影響は薄れていき、60歳以上の群ではその関連性が否定されています。つまり、歳を取ってくると、睡眠時間を長くしたら糖尿病になりにくくなるとは云えない、ということになります。もっとも、年齢とともに不眠は深刻になりますが、むしろ寝過ぎが健康に与える影響の方が問題だということも云われています。

基本、短時間睡眠の世界から逃れられないでいるわたしとしては悪くない報告だったなと胸をなで下ろしていますが、わたしは糖尿病より高血圧が問題だから・・・。

6.5時間未満の睡眠で糖尿病リスク上昇

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バーベキューの食べ方?

保健指導リソースガイドで配信された記事『バーベキューを楽しむために 知っておきたい7つの注意点』(2014.9.1号)を読んだのですが、ひと言「イラン世話じゃ」と口走ってしまいました(笑)

楽しいバーベキューのときにはつい食べ過ぎる、飲みすぎるで、気づけば日頃の食事の3倍以上のカロリー摂取をしてしまいがちだから注意しなさい、とおっしゃっています(「ふだんの食事と異なり、自分が何を食べているかを忘れがちになります。高カロリーの食事が健康にもたらす悪影響について、心に留めておくべきです」と、AXA PPPヘルスケアのゲーリー ボルガー博士がいうておるそうです)。でもねえ、バーベキューは毎日やるわけじゃないですし、普通に大宴会しても似たようなものですし、良いんじゃないですか、堅いこと云わなくても。まあ、材料を買ってくるときに買いすぎないようにするのと野菜もふんだんにいれることさえ注意しておけば、あとは「今日も食べ過ぎたなあ、飲み過ぎたなあ」と終わってから反省して、翌日を修行僧で過ごしておけば、チャラだと思います。ちなみにわたしはバーベキューの間中ずっと立っています。それでも、飲み過ぎ・食い過ぎになりますが、新鮮なピーマンやカボチャを焼いて食べるのが好きです。

なお、『バーベキューを楽しむ7つの注意点』とは、

1.旬の新鮮な野菜や果物を使ってバランスの取れた食事をつくる
2.味付けように、バーベキューの食卓にオリーブ油や酢やレモン汁を準備しておく
3.赤身の肉を選び余分な脂肪を切り落とし(脂肪が炭に滴ると発がん性化合物を含む煙が出るから)、焦げた肉は食べない
4.グリルには必ず野菜や果物を加え、ピーマン・マッシュルーム・赤タマネギ・パイナップルを添える
5.付け合わせには繊維やビタミンを多く含む豆を使うと良いし、ハーブを使うと油や砂糖を加えなくてすむ
6.夏は食中毒に注意し、中心部まで確実に加熱する。肉の塊は中火で時間をかけること(スライスした方がすぐ焼けやすい)
7.生の肉や魚介類は食中毒菌が付着しているので下準備時のまな板や包丁はよく洗い、野菜を切るときに注意する

だそうです。日本では、かなり若い子たちでもみんな、そんなことぐらい、知っとるわい!とこっそりツッコんでおきました。

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損をするヒト

「先生、今のヒト、なんかいやな感じじゃなかったですか?」

先日、説明を終えて最後の受診者の男性を送り出した後、診察室前にいたアテンダントのお嬢さんが診察室に滑り込んでこんなことを云いました。

「え、別に。ちょっとぶっきらぼうだったけど、心配事をいろいろ抱えた普通の男性だったよ」と答えましたが、「そうですか、それならいいですけど。あのヒト、朝の受付担当者からも『いやな感じのヒト』って印象を申し送られていたんです。『だから、言動には注意するように』って」。 まあ、たしかに、名前を呼んで診察室にお呼びしたときもどこか不機嫌そうでしたし、問診をみるといろいろ医療機関に不信感を抱いているエピソードがあったようですが、それでも話をしているうちに冗談や笑い顔も出てきましたし、”普通の男性”というのがわたしの感想です。

こういう、損をする表情のヒトっています。別に怒っているわけでもないのに周りから「怖い」「不機嫌そう」と思われるヒト。第一印象はとても大事です。最初にインプットされた印象はよほど意外な素顔を見せてもなかなか修正/上書きされません。そして、この方のように何をしたわけでもないし、何のクレームを云ったわけでもないのに、最終的に「いやな感じのヒト」という雰囲気だけをみんなに残して去っていってしったりするのです。選挙に出てもなかなか当選できないかもしれません(そういえば、先日、市長に立候補予定の議員さんの姿をテレビで見て、『このヒトはダメ。見るからに田舎モンで花がない』と妻が一刀両断しておりました)。

いや、何を隠そう、この「別に怒っているわけでもないのに・・・」なのがわたしなのです。だから「あなたはできるだけ意識的に笑っていなさい」と妻に厳しく云われています。長年つきあってきたこの顔と表情が、無意識=人相が悪いのですからかなり大変ですが、可能な限りヘラヘラするように努めているのでございます(笑)。世のそういう風貌のみなさん、是非意識して笑って生きていきましょう。

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内容の承認と文章の承認は別物

「先生、ちょっと急ぎなので、この書類にハンコください」と云って、事務方が公文書を持ってくることがあります。「今から、業務が始まるから後で読みます」と云うと、「内容は昨日お話ししたことと同じですから、それを文章にしただけですから」とか、云うわけです。明らかに、内容は周知の事実だから、急いで書類を提出したいから、印鑑だけ押してくれ!と云っています。でも、わたしは押してあげません。だって、内容の承認と文章の承認は別物でしょ。うちの職員さんに限らず、最近はそこのところ勘違いしているヒトが多い気がします。わたしの聞いた内容がそこに漏れなく書かれているかどうかということももちろん重要ですけど、文章で一番大事なことは、それが日本語として間違ってないか、ということ。わたしが回覧の最後だというのに、読んでみたら「誤字・脱字・文法間違い」をいくつも見つけ出します。いかに皆さんがメクラバン(←使用禁止用語?)押しているかがわかります。というか、「少しぐらい間違っていても内容が合っていれば大丈夫でしょ。一番重要なのは内容だから」と考えているヒトが多くなってしまった結果なのかもしれません。

話し言葉と書き言葉は別物。文書は、基本的な字や文法を間違えていたら内容なんか読まれないし、そんな基本が間違っているやつの書く報告書なんて信用できない、という風にわたしたちは教わりました。学術論文は字が間違っているだけで査読者は×をつけるとまで云われてきました。教科書に誤字・脱字がひとつでもあったら教科書として失格だとも。

何か最近、そんな基本中の基本がおろそかにされてきている感じがして、怖いです。

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好きですもんね

「アイスクリームでしょ、ケーキでしょ、フランス料理でしょ、お肉でしょ・・・どれも、食べるとすぐにおなかが壊れるんです」

ある女性が、結果説明のときにそう訴えました。あら、似たようなことを先日妻から聞いたぞ。「アイスクリームとかケーキとかお肉とか、食べるとすぐにお腹が痛くなる」って云ってました。どうも胆嚢か肝内胆管に微細な石があって時々悪さをするのだろうという医者の見立てでした。だから、家に帰ってそんなはなしをしたら、「わたしとおんなじだ-」って云いながら、「お肉は、特に牛肉」って付け足しました。くだんの女性も最後に「お肉は牛肉がダメ」と云っていたのを思い出しておかしくなりました。

もちろん、すべきことは単純明快です。原因がどうだとかクスリがどうだとか云う問題ではなく、食べなければそれで解決します。10人中10人の保健師さんや医者はそう云います。でも・・・はいはい、分かっています。いつも妻に云われていますから。「そんなことはわかってる、でも、好きなんだもの」・・・カラダが「いや」って云っていても、アタマは「ほしい、ほしい!」って云って聞かないんだもの、ねえ。結局自分で試行錯誤しながら、妥協できる量や内容を見つけ出すしかないんですよ。急いでくださいよ、そのうちその量でもカラダは「ノー!」って云い始めますからね。ちなみに妻は、ケーキの代わりにおまんじゅうをスナック菓子の代わりにあられを見つけ出したようです。お肉はギリギリトライしながら「痛~い」と時々のたうち回っています。

神様って、ほんとイケズですね(笑)

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オメガ3系のこと

オメガ3系多価不飽和脂肪酸の作用機序 動脈硬化抑制の多面的作用を考える

今やω3系不飽和脂肪酸が如何に動脈硬化予防に寄与しているか、心筋梗塞発症率や死亡率を下げるのに効果があるか、という報告は随所に出てきており、疑う余地のないことだと思います。先週配信されたCareNetの特集記事(『CardioVascular Contemporary』からの転載)では、徳島大学の佐田政隆先生が動脈硬化制御の機序について詳しく解説しておられました。詳しい内容は、どうぞ直接読んでください。それよりも、気になったのは、「おわりに」の最後の段落です。

「食品から補充しなくても、高純度製剤が医薬品として処方されることは大変ありがたい。オメガ3系不飽和脂肪酸の薬理作用をよく理解して、必要な症例に有効な処方がなされ、イベント抑制につながることが期待される。」

ほら、これだ。またしても、食事の努力は、ずぼらな凡人にはできない相談だから、それをクスリやサプリで補ってやれば、食生活改善の努力なんてしなくても、これまで通りの飽食な人生送っていても動脈硬化にならずにすむ夢の時代が来ますよー!って云い方。前にも聞きました(「何もしなくても良くなる方法?」2013.7.17)。でも、先日ここに書いたばかりの昭和大学の木庭新治先生のことばをもう一度書いておきます。「実はω3系を食事から摂ると効果があるけれど、くすりやサプリで摂ってもあまり効果がないみたいです」・・・ね。

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やりゃあできるんだよ?

「実はですね、去年までは走っていて6キロくらいやせてたんですけどね、やめたら一気に太っちゃって戻っちゃったんですよね」

そういうヒト多いですよね。もちろん健診データが一気に悪化しているんですが、わたしたちの結果説明でも保健指導でも、聞いているふりして完全に聞き流しています。「わかってるっちゃ、そんなこと。オレは一度ダイエットした人間なんだから、またやりゃあできるっちゃ!」と云いた気に自信満々なんです。その自信満々で聞き流している姿を端で見ながら、わたしたちおかしくてこっそり「ぷっ」て吹いているんですよ。だって、わたしたちこの世界のプロだからわかるんです、どうせしやしないってこと。一端リバウンドしてしまったカラダ、というよりココロがね、「やりゃあできる」ってことを知ってしまったから、なかなかやる気を起こさないんですよ。だって、いつでもやりゃあできるんだから、それが今じゃなくても別に、ねえ。禁煙も同じだけど、「ウソじゃないぞ、オレはやると云ったらちゃんとやるし、現にちゃんとやれたんだ」という顔が、プライドであふれています。

はいはい。何とでも云ってください。あなたはできません。だってしないもの。どんなプライドぶら下げていても、しないものはしない。見たらわかりまーす。そういうならやって見せてくださいな。来年、見違える姿になったところを楽しみにしていまーす。あの、一端飢餓状態を経験して、運動することを大前提で準備してしまったカラダだから、前とおんなじことしても前ほどは減りませんからね、気をつけてくださいねー♪

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夏休みの宿題

「夏休み」などという響きはもはや遠いむかしのものになりました。我が家には子どもも居ないので、せいぜい通勤途中に通学の子どもたちが居ないとかラジオ体操から集団で帰ってきているのに出くわすとか、そういういつもと違う光景で今が夏休みなんだなと分かる程度です。

夏休みと云えば「宿題」・・・そんなもの、日本では欠かせない風物詩なのであって、夏休みに宿題を出す意味があるとかないとか、時々思い立ったように世間では議論されますけど、その論議自体が意味のないこと、と基本的には思っています。良いんです。日本では「夏休み」=「宿題」なのであって、それをしてもしなくても。欧米のサマーバケーションのはなしを持ってこられても、ここは日本なんだし、夏休みに限らず”勉学”は学生の本分であって、それによって勤勉なる日本人風土ができあがってきたのであります、なんて、両親を教育者に持つ人間としては半ば洗脳みたいなものですか。

ただ、今思うと、夏休みの宿題の内容たるや、その後に何の役にも立ちません。せいぜい二学期の最初の試験の出題範囲になる程度。それを考えると、「夏休みの宿題」は完全に”性悪説”に基づいています。こどもは40日も野放しにしておくと何もしないか好き放題に遊び回ってバカになる。だから、宿題で統制しておかないといかん、という発想。この期間に自由に自分のしたいことをすればいい、と云ったところで何して良いか分からない(与えられたことしかできない)連中ばかりだから、ペースを維持できるようにお題を与えてやるんだ!という感じでしょうか。そんなこと、戦後の古き時代の遺物!と切り捨ててあげたいのだけれど、むしろ今の方がもっとその傾向は強くなってしまっているのかもしれません。

でも、「ま、良いんじゃないの、別にバカになっても」という感じに最近考えを変えてきているわたしです。やっぱり休むときはとことん休んで堕落するのが、いいよー(笑)

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童話作家になりたいけれど

先日、行きつけのガソリンスタンドで『童話の花束』という冊子があったのでもらってきて、一気に読みました。第41回JX童話賞作品集とやらで、JX-ENEOSグループで無料配布していたようです(もうすでに第44回作品集がでています)。

読みながら、童話っていいなあと思いました。自分も童話を書いてみたい。そう思いながら全部の作品を読んでいると、たしかに最優秀賞と優秀賞と佳作とには差があることがわかります。最優秀作品には、それが一般の部だけでなく中学の部でも小学生以下の部でも、もっと読んでいたい、もっとこの話の空間の中に佇(たたず)んでいたいと思える心地良さが溢れています。こんな、自分が読者になってももう一度読みたいなと思うような文章を書いてみたいなと思って何度も読み返していると、これらに共通する2点が見えてきました。それはとてもシンプルです。

●伝えたいことがきっちり明確であること
●ヒトにそれを伝えられるだけの文章力があること

しごく当たり前ですが、このどちらもが必要だということ。どちらか一方だけではダメなんですよね。童話作家になるのは夢だけれど、これはまだまだむずかしそうです。

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「忙しい」は迷惑

今年の健診で高度高血圧と心電図変化(高度陰性T波所見)を指摘された男性。昨年も一昨年も同じ所見(徐々に増悪)で紹介状が発行されていますが未受診のまま。その理由は、「仕事が忙しくて受診する時間が取れない」・・・これ、健診後の医療機関未受診の理由の半数以上をいつも占めています。

お歳はわたしと同世代のヒトだから、会社でも重要ポストにいるヒトなのでしょう。こういうヒト、本人は「会社のため」と思っているかもしれませんが、会社はきっと迷惑です。むかしは従業員の健診はただの義務だったので「とりあえずやりました」的なやり捨て健診でしたけれど、今は従業員の健康管理は会社の重大な責任になります。こういうヒトが、仕事中に倒れられてしまうと、それは管理監督の怠慢という判断になってしまうのです。わたしが産業医をしている企業でも、昨年度から高血圧の管理はとても厳しくなって、高血圧をほったらかしにすると呼び出されて、それでも受診しなかったら、かなり厳しい制限付き業務を指示されます。大義名分は、従業員本人の健康管理は健全な人生の基本だから、あるいは管理不足で突然倒れられると会社に損失が出てしまうから、ということになりますが、実質は「勝手に不健康を野放しにしておきながら何かあったら給料だけもっていく給料泥棒」だからだと思います。

自分は責任あるポストで、無症状の大したことのないことのために仕事に穴を開けるわけにはいかない、と思い込んでいるのは本人だけ。周りは「早く受診してくれよ」と思っていますし、「突然倒れられたら突然あんたの仕事が回ってきて大変なことになるんだよ!」としか思っていません。外来受診しに行く時間なんて、誰も気に留めていませんから、むしろ自分が思っているほど周りは自分を必要としていないことがわかってショックかも。「なかなか自分のプライベートの理由で職場を休むことはできない」という日本人的発想はもう10年も20年も前の考え方のようです。もっとも、せっかくの有休を病院受診に使うのはもったいないと云えばもったいないですけれど(笑)

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ロキソニンと夜間頻尿

配信されてきた日経メディカルの記事に目がとまりました。
なぜ、夜間頻尿にロキソニンが効く?』(日経メディカルメール2014/9/1臨時増刊)

いやその、実はわたしはもう長いこと夜間頻尿で、毎晩2、3回は起きる常習犯なんですが、先週からそれが減って、朝起きる前に1度あるかないかになったのです。「あら、ボクの生活態度が良くなったからなか」とか勝手に思い込んでいたのですが、そういえば手首の痛みと右背中の痛みが改善しないから、週末のボウリング大会やゴルフ・少林拳などをこなすために「ドーピング」と称してロキソニンを頻回に飲み始めたことに気づきました。

ロキソニン(非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)が夜間頻尿に効く、というのは臨床現場では古くから知られていた常識なのだそうですが、すみません、わたし、存じませんでした(笑)。その機序は、

1.夜間尿量の低下:ちょっと専門的ですが、プロスタグランジン産生抑制→腎血管収縮による腎血流量減少+ヘンレループでのナトリウム再吸収増加+抗利尿ホルモン作用亢進→尿量減少、だそうです。

2.排尿反射の低下

3.排尿知覚の低下:ロキソニンは排尿に関係する知覚神経にも影響を与え、EP1受容体に対する拮抗作用を持つ

とありました。もちろん尿産生を抑えますから、腎機能低下者やむくみ体質の高齢者には注意が必要だそうです。ま、メカニズムはどうでもいいんですが、この夜間排尿の改善がロキソニンによるものの可能性が高いということがわかってちょっとショック。胃が悪くなるから、夜におしっこに起きないですむからという理由だけでロキソニンを常習するわけにはいきませんもの。

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塩のはなし(続編)

塩分過剰による心血管死、世界で年間165万人/NEJM

先日、「少なすぎても危険なナトリウム」と報告されたお塩について、今度は過剰摂取の弊害が発表されました。もちろん塩分過剰が悪いことは周知の事実ですが、今回の報告は世界66カ国の成人(全成人の74%に相当)をメタ解析したという特徴があります(ハーバード公衆衛生大学院 Dariush Mozaffarian、NEJM 2014.8.14号)。

全世界のナトリウム摂取量は地域によってほぼ基準通りの国から基準の2.5倍摂取している国まで千差万別ですが、全体の平均としては基準の2倍あったということ。それから、世界中で基準値を超えるナトリウム摂取が原因になる心血管死は年間165万人になる(男性62%、女性38%)ということ・・・これは全死亡の9.5%にあたり(低~中所得国では84.3%)、また40%が70歳未満の比較的若い層だった、ということが報告されているようです。

大学生の頃、夏休みを使ってアメリカにホームステイしたとき、その家の高校生のお嬢さんが日本のお菓子を「too hot!」(塩辛すぎてとても食べられたものじゃないわ)と云ってはき出したのを思い出します。特別塩辛いとは思えない普通のスナック菓子だったから、アメリカ人は基本的に塩は嫌い、砂糖が大好き・・・そのときそうアタマに焼き付けたのですが、あれから35年、先進諸国ほど味付けの嗜好は差がなくなってきているように思いますから、今なら、あのときのお嬢さんも「ちょっと物足りないわ」とか云いながら一袋簡単に食べるかもしれません。

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名言

「私にとって大事なことは、勝つことよりも、負けないことなんです。」

逆転力~ピンチを待て~(指原莉乃・講談社AKB48新書) 「戦わなければ、負けない」より

はい、戴きました。真意は別にして、これは名言だと思います。

もっとも、わたしは負けても別にかまいませんが。

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知らないことは財産

「トロやマグロが食べられなくなるなんて悲しすぎます」

クロマグロの乱獲の影響で漁獲制限がかかることになったニュースの中でインタビューを受けていたのは中学生か小学生かの子どもでした。「何云ってんだか」・・・思わず独り言を吐いてしまいました。わたしなんか、たまーにしか来ないお客人のために取った出前の寿司(並)の残りをむさぼるように食うのがやっとだったから、子どもの頃にそんな赤身の魚なんか食った記憶すらない。おかげさまで、大した思い入れもないのでそれが食べられなくなってもさほどの寂しさはありません。

「好きなものは何?」「そうですね。お寿司かな。特にエンガワや中トロが好き」だと?わたしなんか、”エンガワ”なんて単語、自慢じゃないが天草の病院に勤務している35歳の頃に初めて知ったぞ!今の子たちは若くしてどっかのオヤジみたいな舌になってしまっているから大変ですね。

若い世代がよく、「生活の質は落としたくない」ということばを使いますが、たとえば大量に食っているとろとろの肉を赤身のOZビーフにすることだったり、半分に減らしたりすることを指しているのを見て、今摂っている食事の方がはるかに低い質だと思うぞ!と云ってみたところで、単なる偏屈オヤジにしか見えないのでしょうね。

でもね、分かります。慣れてしまったものは、どうしても低い方へ楽な方へ魔物の居る方へ導かれて行くのが常ですものね。わたしも、ほとんど毎週土曜日に出勤するのが普通だったのに、最近妙に土曜日を休ませてくれることが多くなって、おかげでたまに土曜出勤するととても面倒くさくて憂鬱になります。それが当たり前の日課だと思っていたころにはどうということのない生活だったのに。

意外に、「知らないこと」は大きな財産だったりしますね、ほんと。

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