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一服

「ちょっと一服しようか」と云ったら、「あれ、先生もタバコを吸うんですね」と云われてしまいました。『一服』を『タバコを吸うこと』と思い込んでいる若者は意外にたくさんいるようです。たしかに辞書を見ても、「茶やタバコをのんで、休息すること。ひと休み」とあります。でも、本来は一服とタバコとは関係ありません。「お茶でも飲んで一休み」、ということ。語源は抹茶にあって、『栄西が時の将軍源実朝の二日酔いの快復に一服の抹茶を呈茶し、即時に快癒したこと』が事の始まりだとか。「おい、ちょっと一服しようぜ」と云って棟梁が縁側かなんかに腰を下ろしておもむろにキセルをくわえる姿を思い浮かべる人も少なくないでしょうが、もっと詳しく想像すると棟梁の横にはちゃんと湯飲み茶わんのお茶が置かれているはず。お茶を飲む→お茶を飲みながら一休みする→お茶を飲みながら一休みしてタバコをふかす→タバコをふかしながら一休みする→タバコを吸う。こういう変換がなされてきたわけで、もともとタバコは男が大人になった証でもあったことを考えると、粋でいなせな男衆が作り出した文化なのかもしれません。

だから逆に、「一服しましょう」と云うと、喫煙を奨励するのか?と色めき立つ人たちも出てきます。『一服』は『ひと休憩』か『お茶を飲む』のことだ、と反論すると、「それは、『お茶する』って云うんです」と来たもんだ。禁煙運動を広げるためには、この際、『一服』という人騒がせなコトバ自体をスッパリ抹消させてしまった方が良いのかもしれませんね。

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