« 未来予測 | トップページ | 台風16号 »

知ることは幸せなのか?

検査技術はソフトもハードも本当に進歩しました。心臓を栄養する血管(冠動脈)の流れが落ちると狭心症や心筋梗塞を起こす危険性がありますが、その冠動脈の状態を画像で写す方法は、以前は冠状動脈造影(直接入り口まで管を入れて造影する)しかありませんでした。でも今は外来で行えるCT検査やMRI検査でもきれいに写し出されるようになってきました。だからうちの施設でも、これらの検査を人間ドックで行いたい、と色めき立っています。

ただ・・・わたしはどうしても乗り気になれません。それがスクリーニング検査として(人間ドックなどで)見つかることでどんな得があるのか?今にも詰まりそうなくらいの厳しい狭窄が見つかると大事に至る前に治療できる。それはすばらしい事ですが、そんな病変があるならきっと運動負荷心電図検査でも異常が出ます。それをみつけて専門医療機関を紹介しても遅くありません。運動負荷検査で異常があった場合、必ずしも冠動脈が狭いとは限りません。それの区別をするのにこの検査は有効かもしれません。でも、それではこの検査で異常がなかったらどうなのか?「心臓は大丈夫です」なのか?答えは「ノー」です。心筋梗塞の70%は狭くない血管で起きます。狭心症には血管の痙攣や細い血管の病変が原因の場合もあります。つまり、「狭くなかった」=「心配要りません」ではないのです。さらに、それでは中途半端な狭さがあった場合はどうでしょう。臨床的には問題はありません。でも、「大丈夫です」という無責任なことばを、人間ドックの結果説明医師が云えますか?わたしは、口が裂けても云えません。

冠動脈CTで石灰化が見つかっただけでもいい気はしませんし、気味が悪いです。症状もないのに自分の冠動脈の狭窄度を知ってしまうこと・・・それを予防医療の世界でやってしまうことは、狭くても狭くなくても、本人にも周りのヒトにも何の得もない、というよりむしろ不幸なことなのではないかと思うのです。

|

« 未来予測 | トップページ | 台風16号 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

またまたご無沙汰となっております。

本日のテーマ
正に「知らぬが仏」

ほっとけ(仏)、ほっとけ(仏)がベターと思われます。

最悪でも「南無阿弥陀仏」の世界でしょう!

やっと天候も落ち着き気味ですね。

  悟りに程遠い asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2014年9月24日 (水) 17時02分

asuka3hさん

ご無沙汰しておりますが、お元気でおりましょうか?
今日は大阪でした。大雨を覚悟して行ったのに、とんでもない快晴でした。でもまだまだ自然は落ち着く気がないような気もします。どうぞ、ご自愛ください。

投稿: ジャイ | 2014年9月25日 (木) 23時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 未来予測 | トップページ | 台風16号 »