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早食い

「別に早く食べようと遅く食べようと、この弁当しか食わないんだから、一緒だろ?」とか文句を云いながら、弁当屋さんから届けられた昼の定食を同僚の心臓外科医とむさぼるように食っていたのは研修医の頃でした。「むかしから、”早メシ、早グソ、芸のうち”と云うじゃないか」とうそぶきながら。

食べる速さはメタボと関連~日本の横断的研究」という記事がCareNetの配信で届きました。国立国際医療研究センターの長濱さつ絵氏らが日本人における食べる速度とメタボリックシンドロームとの関連性を横断的研究で調査したもので、食べる速度がメタボリックシンドロームと関連し、この関連は主に食べる速度による体重の違いで説明されるそうです(BMJ誌2014年9月5日号)。

「早食いは満腹中枢を刺激する前に食べ過ぎてしまうから太る」という理屈から、早食いのヒトは太っている(または太っているヒトは早食い)と云われていたので、冒頭のグチが出たわけですが、今は食後高血糖があるかないかで吸収率が変わることがわかっており、同じ量を食べるにしてもきちんと噛み込んで食べるかどうかが肥満に大きな関連があると云えましょう。だから、「食べる速度はメタボリックシンドロームと有意な正相関を示した」とか「メタボリックシンドロームの要素のうち、腹部肥満が食べる速度と最も強い関連を示した」とかいう結果は想定の範囲内です。ただ、この肥満の要素を調整してしまうと生活習慣病因子との関連性が一気に薄れる中、「遅い」と高血圧や男性の高血糖になりにくく、「速い」と男性の脂質異常に有意に影響を与えたという結果には興味があります。つまり、特に男性の生活習慣病には、太る、太らないとは関係なく、「ゆっくり食べる」が有効であることを物語っているわけです。

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