将来の夢
「ぼくの将来の夢は、パイロットになることです」
こどものころに抱いていた将来の夢は?とか、大人になったら何になりたいと思ってた?とか、そういう話題をテレビでやっていまして、それを見ながら、ふと自分のことを考えてみたわけです。たしか、こどものころ、わたしは作文にこう書きました。でも、これっぽっちも思ってもいないことでした。なぜなら、わたしは子どものころから極度の高所恐怖症だったからです。それなのに、「パイロットになりたい」と書いたのには訳があります。いつもいつも、わたしの大好きなお母さんが云っていたのです。「おとこならパイロットになって大空を飛び回るようなかっこいいおとなになってほしいな」って。大好きなお母さんの夢を壊すわけにはいきませんから、わたしは作文で『将来の夢について書きなさい』と云われたときに迷わず「パイロトになりたい」と書きました。高所恐怖症なんて、大人になったら、少なくとも男なら、必ず治るものだと思うことにして・・・。ま、それだけ、自分では何の夢も目標もなかったわけでしょう。自分の夢がなかったから、お母さんの夢で穴埋めした感じ。
もちろんパイロットなんてもってのほかでした。最近、若干ずぼらな感性になって、かなり平気になってきたとはいえ、今でもちょっと高いところに行くとめまいがします。考えてみたら、わたしはお母さんの願いはほとんど叶えてあげていない気がします。高校の武道に母は柔道を勧めたのに剣道を選びました。洋風に憧れていた母なのに、改築した家は純和風でした(これはわたしの問題ではありませんが)。そして、老後にわたしと同居して孫と一緒にのどかに暮らす、という彼女の夢も・・・。
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