般若心経の真実
知人から「NHKで般若心経をやっているよ」と教えてもらいましたが、残念ながら4回シリーズの3回目だけしか見ることができませんでしたので、早速番組用のテキストを購入しました。
『100分de名著~般若心経』(花園大学 佐々木閑著)
こうやって他から勝手に情報が舞い込んでくることを考えますと、どうも今、わたしには般若心経が運命的な旬のようです。でも、ここで佐々木先生の書にはまず意外なことが書かれていました。般若心経は「日本で一番人気のお経」ではあるけれど、タイやスリランカなどの昔からの仏教を守っている国では人気がないどころかほとんど誰にも知られていない経典だそうです。なぜなら、世界で一番人気の経典『ダンマパダ』とは違い、般若心経は仏陀の教えを説いたものではないからです。大乗仏教の宗教運動から生まれた、仏陀の教えとは違う解釈を加えた経典であるということ・・・こういうショッキングな事実をテキストの序章で読みながら、あまり気になっていない自分がおります。般若心経は、「ある意味、仏陀の教えを否定する経典」であり、古い仏教を「錯覚」であると否定し、それを超越するもう一つ高次の論理を上乗せさせた教え、なのだそうです。
実はむかしからそのことは知っていた気がします。最初に般若心経の解説書を読んだときにも似たようなことが書かれていたように思います。でも無視してきたのです。当時は、そんなことを知ってしまったら、今から学ぼうとしている『般若心経』というものの価値が地に落ちてしまう気がしたからでしょう。でも、今は違います。その事実をしっかりと受け止めながらも、だからと云って、それでは真の仏陀の教えを学ぶために『ダンマパダ(真理のことば)』を学びたい、とはちっとも思わないのです。わたしが心得たいのは、”仏陀の教え”ではなく、あくまでも”般若心経”である、ということが今回ははっきりしました。
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