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思い込み

「聴診をしますので、前を開けてください」・・・人間ドックで診察をするときに、受診者に向かってそう云いますと、多くの方は受診着のひもをほどき始めますが、何人かは躊躇なく受診着をお腹のところからたくし上げてくれます。「あ、『開けてください』を『上げてください』と聞き間違えているんだな」、とすぐに察しがつきますので、何事もなかった顔をして、「もうちょっと上まで上げてください」と云いながら、聴診をし始めます。わたしは滑舌が悪いので、聞き間違えてもそう不思議ではありませんし、たくし上げてくれても特に男性の場合は何の支障もありませんが、誰一人として「え?何ですか?ちょっと聞き取れなかったのですが」みたいに聞き返す人も居なければ、一瞬ためらうこともないところをみると、おそらく最初からの思い込み・・・聴診と云えばたくし上げ・・・と決めてかかっているわけでしょうね。

こういう思い込みは日常にはたくさんあります。わたしも何か指示されながら「はいはい」といつものように処理してから、後になって「あれ、さっき何って云われたっけ?」と思い返せないことが幾度となく有り、わたしはちゃんと指示通りのことをしたのだろうかと不安になったりします。思い込みや聞き流しは、しないようにしようといつも思っているのに、ふと気づくとやらかしているわけで、その都度自己嫌悪な毎日です。

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