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マルチモダリティ(前)

第54回日本核医学学会総会のランチョンセミナーで、『心臓マルチモダリティ時代における心臓核医学の役割とEBM』(中田智明先生:社会福祉法人函館厚生院 函館五稜郭病院 循環器内科)を拝聴しました。

心臓CT検査などで得た形態的評価だけを基準にすると血行再建術の件数が増えてしまうけれど、結果として予後は決して良くならなかった。狭ければ広げれば良いというものではなく、冠血管予備能が低下していなければ狭くてもほったらかして大丈夫だというデータがたくさんある。だから、今でも20年前と変わりなく、負荷心筋血流シンチの結果が最も重要なのである。と、中田先生は熱く語られました。

20年以上前から云われていたことですが、循環器畑にいたころのわたしは、それは詭弁であり、そこに明らかな有意狭窄があるのに検査で虚血が誘発されないからほったらかすなんてできるか?現実問題として良心の呵責に耐えられるか?単なる確率論なんだから、自分の親だったらできないだろう?と思っていました。でも今、予防医療の現場から眺めると、どれだけ狭くても虚血が出ないならいらんこと(血行再建術)をしない方がいいと心から思います。自分なら受けないでしょう。それは、医療現場のリスク管理の考え方が変わったことや私自身が当事者になりうる歳になったことも影響しているのかもしれません。

そうなると、知らなくてもいいことは知らない方が健康的な人生が送れるのかもしれないと云えましょう。知ってしまうと、検査する側もされる側も、無視したいのにできずにいつまでも消えない残像に悩まされることになりますから。 (つづく)

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