精密機械
『人の身体は、理屈でホイホイ動くような安物のコンピュータではない』
『細胞(生命)は、失敗を何度も繰り返す精密機械である』
他の先生が人間ドックの結果説明をするのを部屋の外から聞かせていただく機会がありました。外来診療と同じで、となりがどんなことをしているのか意外に知らないものなので、とても勉強になりました。
じっと聞き耳を立てて聴いていると、受診者のみなさん、自分の身体の微細な変化のひとつひとつに因果関係を求めておられ、各々を理屈としてきちんと説明してもらいたいと思っているみたいです。これはいわば”情報社会の生み出した弊害”なのかもしれません。「自分の身体は緻密で高等な精密機械であるべきだ(それが当たり前だ)」と思っているからそうなるのでしょう。もちろん、ヒトは精密機械の集合した傑作なのだろうけれど、コンピュータとかと決定的に違うのは、いつも試行錯誤して失敗ばかりしているということです。ひとつひとつの変化に対していちいち細胞が反応するわけですが、ひとつのことに反応し改善を促し、それが後手になることもあれば取り越し苦労になることもある。もちろん転ばぬ先の杖になった場合もありましょう。そんなことの度に反省と学習を何度も繰り返しながら次に備える毎日なのです。
何を書きたかったのかというと・・・何だっけ? だから、ヒトの細胞はいつも必ずしもきちんとした一対一対応をするとは限らないのだから、自分はほどほどのいい加減なポンコツロボットだと思っておいた方が気が楽だぞ!ということですね。
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