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チーム医療(前)

「申し訳ないが、わたしは〇〇医療センターは信用できないんです。うちの妻の乳がんが誤診でした。親戚や知人も『あそこに行ってひどくなった』というはなしばかり聞くんです。どこか他の病院を紹介してください」

ある健診受診者さんがそう云いました。生活習慣病の日頃の管理をお願いする先生探しをしていたときのことです。その方は熊本市内から離れた遠隔地にお住まいで、その地域の医療センターにわたしが信頼できると思ったN先生が居られるから、ちょっと提案してみたのです。こういうはなしは残念ながらよく聞きます。とても耳の痛いはなしですし、一部のこぼれ話に尾ひれがついてきているところもあるのですが、一方でこれはいかんともしがたいところがあります。かく云ううちの病院も例外ではありませんし、他の地区の公的病院にも同じ理由で受診を拒む方がたくさんいます。遠くても行くから、何とか他の病院を紹介してほしいと懇願されます。基本的に、こういう病院(うちも含めて)は大学医局などからの派遣が多く、医者がどんどん入れ替わるのが常ですから、ヤブ医者が多い、という評判は当てはまらないところがありますし、基幹病院は他で手に追えない重症患者さんや難病の人が紹介されるので自ずと悪い転帰の比率は高くなってしまいます。昔から勤務している常勤医は偉くなって経営側に回るので外来を減らしがちになり、若手の先生は1、2年で入れ替わり、中堅どころの受け持ち数が膨れ上がって待ち時間が多くなる・・・これが現状です。

そんな中から、「うちはチーム医療だから」ということばが生まれてきました。カルテを共有し、スタッフのどの医者が診ても同じ質の医療を提供できる。検査方法はマニュアル化され、医者によってしたりしなかったりすることがないようにする。治療方針は、カンファレンスで皆が一堂に会して協議するから、主治医がベテランでも新人でも差がないようにする。救急で運ばれて主治医が居なくてもカルテをみれば一目瞭然で把握できるように記載方法はフォーマット化されている。うちの病院は、昨年取得したJCI規格によって、さらにこの普遍的医療の提供が確立しています。 (つづく)

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