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チーム医療(後)

(つづき)

ただ、長い間通院している患者さんは「人間」。それを診ている医者も「人間」。人間と人間との付き合いは共有化された電子カルテやカンファレンス結果に盛り込めないことがたくさんあって、それの方が医療情報より重要だったりします。医者が替わるたびに申し送りがなされますが、申し送られる毎に人間関係は薄くなっていくのが常です。そりゃあ九死に一生を得た恩人だったり、分かりにくい小さながんを見つけてくれた恩人だったり、あるいは初診時に管巻いて大変だった患者さんだったり、最初に生まれたドラマチックな出会いの関係と、もうすっかり元気になって毎回薬をもらいに来ているだけのときに始まった関係が、同じ深さになるとは思えません。ちょうど車屋さんで新車を買ったときの担当者とか、生命保険の担当者とかが担当変更になるたびに連絡回数が減っていって、自分の担当者の名前すら知らなくなる、というのと同じ感じだなと思っています。

これを避ける方法は、やはり信用するかかりつけ医を作ることに尽きると思います。とかく大きな病院、設備が整って腕のいい大先生が揃っている病院、患者教育がしっかりしている医療スタッフが多い病院がベストだと考えがちですが、実際に自分と対峙し、一生のお付き合いするのは目の前のひとりの医者です。何人入れ替わっても常に一対一。一対一対応と一対多対応がシステムの工夫によって同じレベルでできるのは医療情報の内容だけであって、その環境の中に自分とツーカーな人間関係を築かせるのはムリです。「〇〇さんがね」と云ったときに、「あああの○○さんですね」と答えられるスタッフが何人いるか・・・クリニックの先生は違います。何百人居ようとも、印象の程度はあろうとも、いつもスタッフと共通の姿を頭に抱くことができます。わたしは基本的に施設(病院)への紹介はしないことにしています。一回の検査ならそれで良いですが、以降ずっと付き合うなら一人の人間としての医者を紹介します。その医者と信頼関係を得られるかどうかは、それ以降の当事者同士の問題です。

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