本当に無意味なのか?(後)
(つづき)
「この大根を食うと、不思議なことに宝くじが当たりやすくなる」・・・極端な話、統計学だけで語ればこういう結果もあり得るわけですが、これが世に出ないのは、大根と宝くじ当選に理論的な因果関係が全くないからです。それに比べて、たとえば今回の低GI食の効果については理論的には理にかなっています。ただ統計学的に有意差が出なかった。つまり、この理論で有効な成果が出たヒトは少なからず居るはず。それはたまたまの結果なのではなく、おそらく食べ方や時間帯や食べ合わせなどいろいろな要素が関連しているのでしょうけれど、それでも「低GI食を食う」という行為はインスリンや血圧に悪影響は与えていないはずです。それなのに、おそらくこの研究成果が社会的に大きく取り上げられるならば、「低GI食を選ぶのは無駄な行為」と皆が判断するようになるのではないかと懸念します。納豆がカラダに悪いはずはなく、適量の食い方でやせたヒトが少なからず居るから「納豆はダイエットに有効」という仮説が生まれたわけで、STAP細胞のありなしを語っているのとはちょっと違います。なのにこれを”全否定”するのはいかがなものでしょうか?
統計学的有意差というのは、効果があった者もいるがなかった者もいる。合計すると効果がなかった者の方が多かったか、効果があった者があまり大人数居なかったために「有意差なし」となり、この現象は普遍的な事実ではないという結論に達したというだけのことです。これを売り物にする薬やサプリを否定するのは意味があることですが、この結果をもって、「この方法は効果がないからやるべきではない」となってしまうのは、ちょと違うのではないかと感じて、そこに大きな違和感を覚えます。
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