試行錯誤
「どうやったら腰がくびれますか」
先日、私と同い年の妙齢の女性受診者さんから単刀直入に質問されました。「やせるためとかいうのではなくて、女性として若いころの腰のくびれを取り戻すぞ、という強い気持ちでかんばるのがいいと思います」とわたしが云ったことへの返しです。
ちょっと考えるふりをした後で、「まあ、いろいろ試行錯誤してみてください」とお答えしました。これは、意地悪で云っているのではありません。もちろん専門的にどんな運動をしてどんな生活をすると効果が期待できるかという知識はあります。でも、健康に関するハウツーは、結局やってみないと効果があるかどうか分かりません。よく『こうやったら誰でも簡単にやせられる』とか、『私はこうやってダイエットに成功した』などという本を見かけますが、それを読んで期待通りにやせた人をほとんど見たことがありません。「云われた通りにやったのに、どうしてやせないんですか?」と詰め寄られても困ります。やり方が違っているとか実践が徹底できなかったとかいうのでなくても、効果の出ない人には出ません。わたしも自分なりのやせ方を体得しています(あとはそれをするかしないかだけ)。「どうやったら先生のようにやせられますか」と講演会などでも質問されたことがありますが絶対に答えませんでした。「これをやったら絶対に簡単にやせられますから、いちいち回り道せずにわたしの方法を実践してみてください」と云いきるダイエットのプロの自信には恐れ入りますが、わたしは人に説くほどの自信はないのです。わたしにしか通用しないやり方だと思っていますから。
目的と夢に向かった試行錯誤は意外に楽しいものです。できなきゃ他の方法に変えれば良い。「これが王道のはずなのになぜわたしだけうまくいかない?わたしはダメな人間?」などと悩まずに済みますし、自分で自分に課した決め事は自分との契約ですから、知っているのは神様と自分だけです。まあどうぞ、見違えるような自分になった姿を夢見てやってみてください。唯一わたしが助言するなら、「何をするでも良いですけれど、今日から取りかかってください。明日から、では永久にやりません」とだけお伝えしておきます。
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