本当に無意味なのか?(前)
<低GI食、インスリン感受性や収縮期血圧を改善せず/JAMA>
新年早々、CareNetを通してJAMAの記事が紹介されていました(JAMA2014.12.17号)。炭水化物による食後高血糖の程度を表すグリセミック指数(GI)が低いものを食べても、高GI食を摂った場合と比べてインスリンの働きの改善や血圧改善に有意な差が見いだせなかった、というアメリカからの報告です(Sacks FM, et al. JAMA. 2014; 312: 2531-2541)。内容に興味のおありの方はどうぞ原著をお読みください。
「これらの結果を踏まえて著者は、『Dietary
Approaches to Stop Hypertension(DASH)タイプのダイエットで、GI指数を用いて特定の食品を選んでも、心血管リスク因子やインスリン感受性には結び付かないようだ』とまとめている」という文章を読むにつけ、わたしは首をかしげてしまいます。「健康番組に医者が提示するデータの半数以上が本当かどうかあやしい」という報告を年末にどこかで読みました(たしかに、そりゃ言い過ぎでしょう!と思うものは見ていてたくさんある)が、基本的に科学データは統計学であり、有意差検定の結果出てきている集団の真理ですから、方や「有効」という結果があり、方や「それは無意味」という結果があるのはよく分かります。以前、某人気テレビ番組の検証データがねつ造だったというので大騒ぎになったことがあります。納豆が突然店頭から消えたかと思ったら急にだぶついて、一般市民だけでなく納豆産業が右往左往させられた事件。
(つづく)
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