節制と健康寿命
本当に不摂生は寿命を縮めるのか? 本当に節制したら健康寿命は伸びるのか?
先日、今どき流行のスーパードクターによる健康番組で、やれ高脂血症がいかん、タバコがいかんと予防の大切さをこれ見よがしに語っているのを見ながら、そんな予防医療の現場で働いているわたし自身が、この単純な疑問にきちんとした答を見出せません。番組は、超不摂生をしていた有名タレントや売れっ子アナウンサーが心筋梗塞や脳梗塞に罹って、その後反省して節制している様を伝えながら予防の重要性を啓蒙する形で、「自分はこの程度で終わって本当に良かった。今は改心して節制しているけれど、あのままの生活を続けていたらどうなったかわからなかった」と神妙に語っていましたが・・・。
「不摂生が病気の原因になる」というのは生活習慣病の基本ですから、そこはまあ譲るとして、それでは不摂生だったひとが節制したら、今後の健康寿命が本当に伸びるのでしょうか?医師たちは、番組の中で義務だからそう語ったのかそれとも本心でそう信じていたのか知りませんが、結局これは人生を全うしてみないとわかりません。いや、本当はやったときとやらないときとパラレルワールドで比較しない限り答は出ないはず・・・だから、「節制」は現世を滞りなく過ごすための自己満足の(後悔させない)手段にすぎないと思った方が無難なのかもしれないという感じがします。確率論というのはそうしたモノだと割り切るしかなく、ガマンして節制しても何度も再発するヒトは居ます。「節制はガマンではない」ということを実感してさえおればそれで良いと思いますし、「自分はそれで改心できたから病気に感謝する」ということも大事なことです。皆が、良き人生であってくれたらいいな、と思う次第です。
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