本当に単なる引き算なのか?
「かなり動いている様子なのに、どうして体重が増えてきたのだろうか?」
「それはたくさん食べているからに決まっていますよ!」
人間ドック受診者の結果を見ながら保健師さんたちと指導のためのカンファレンスをしていると、こういう会話は茶飯事です。 基本的に体重はインとアウトの単純な引き算で、太る時は食べる量が増えたか運動量が減ったかのどちらかだと考えるべきであると教わりましたから、保健師さんも管理栄養士さんも運動指導士さんも、そして担当する医師も、特別な病気でもない限り、それは極めて単純なことだと思っています。「本人は食べてないと云うけれど、絶対食べる量が増えているんです!それしかありえません。一回、きちんと記録を取らせて現実をわからせましょう!」・・・彼女たちが躍起になって提案する常套策は察しがつきます。
でも、本当にそれでいいだろうか? 今、自分の身体で経験しているこの体重減少の継続は、そんな足し引きだけでは説明つかない気がするのです。「そう云いながら、結局は先生がんばっているんですよ」と云ってくれます。はい、がんばってます。間食がなくなりましたし朝食を摂らないことも徹底できています。意図的に前より1000〜2000歩多めに歩くようになりました。でも計算上、もうそろそろ止まるはずで、こんなにいつまでもマイナスバランスが続くようながんばり方はしていません。わたしのしていることは、簡単にいえば生活のメリハリをきちんとつけてみただけなのですから。
単なる足し引ではないもの・・・基礎代謝自体も減量効果の程度によってかなり変動してしまうらしいし、睡眠の良し悪しが代謝に明らかに影響を与えることもわかっています。でもそれ以上に、もっと定量したり予測したりできないホルモン系の変動があるのではないだろうか?と思うのです。『生活のメリハリ』とか『モチベーション』『やる気』などといった全くもって医学的・科学的ではない表現では鼻で笑われそうですが、自律神経系やホルモン系といった生命保持のために働く機能は、どこか精密機械の計算式では太刀打ちできない何かを発揮する気がしてなりません。どなたか、そこのところをご存知の方がおられましたら是非教えてください。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- フレイル予防(2024.10.02)
- 酒で糖尿病リスク減?(2024.09.30)
- 転倒リスク予測(2024.09.25)
- ペットと食物アレルギー(2024.09.24)
- 手に汗があふれる(2024.09.20)
コメント