リハビリはやる気
知り合いの女性から相談を受けました。その方の旦那さんは人工透析を定期的に受けているのですが、彼が下肢の動脈閉塞症を患い、ステント治療などの高度医療を受けるべきかどうかとの悩み。70代半ばの彼はリスクファクターも大変多く、たしかに循環器内科医も苦慮する状況。結局はリハビリでの改善を期待できるという結論になったのですが、妻の目から見る限り、いつもキツそうで家では動こうとせずにイライラしているだけだから、手術した方がいいのではないかと感じる、というのです。
詳しい所見を知りませんので無責任なアドバイスはできませんが、話を聞いている限りわたしもきっとリハビリや内科的な治療を勧めるだろうなと思いました。なんか外科的な治療をするとその後にドロドロな経過になるような気がしてならないからです。せっかく大きな治療をしても、その後にADL(日常生活動作)の質が上がらなかったら治療の意味がないからです。
ただ、リハビリは『本人のやる気がすべて』と云っても過言ではありません。血流閉塞の側副血行を促すためのリハビリは痛みや痺れが出てきても止めずに歩き続けることが必要です。「ちょっと動くと痛いから動かない」という状態では、それは”放置”と同じこと。「もういいや」と自暴自棄になっては元も子もありません。「がんばれば動けるようになることを信じて、オレ、がんばる!」というのがリハビリなのですが・・・気になるのは、その気持ちを強烈に押し上げてくれる人がいないのでは?ということです。奥さんの叱咤激励がかえってイラつきを増幅させてしまうのは致し方のないこと。理学療法士さんの関与はもちろん力になるのでしょうが、医師たちはどうなのだろう? 主治医は地域の透析医でリハビリ知識がなく、循環器内科医は治療の要否を調べただけだからその後に関与していない。「リハビリがベター」の結論を出したのなら、せめて無理矢理に引っ張ってきてでもがんばらせるプログラムを実行させるところまで面倒みてやらないと、個人任せでは到底改善不可能な気がしてなりません。
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