受診は仕事である。(2)
(つづき)
彼の糖尿病の悪化は彼の生活態度が悪いからだ。せっかく頑張っていたのにやめてしまったからリバウンドしたのだ。ストレス食いがいかに悪いことか理解してもらって、ストレス解消できる代替法を考えさせるべきだ。
保健師さん方が色めき立ってそう云いそうですが、それも違うと思います。彼のデータは昨年一旦改善しましたが今年再び悪化しました。肝機能も内臓脂肪も中性脂肪も腎機能も全部がVの字型の変化です。でも血糖値だけは違います。直線的に増加しています。つまりこれは、もう一度キチンと努力し直したら改善するのではないかという考えでは解決しないはずです。おそらく機能が低下しながらも大量に分泌されていたインスリンというホルモンが一気に枯渇し始めたのではないかと懸念しています。だから血糖値が突然跳ね飛んだのです。こうなると、最初にすべきは生活の見直しではなく、インスリンコントロールです。だからまず病院受診なのです。食べたくもないものを「食べなきゃ」と思い、食べたいものを「ガマンしなきゃ」と思うだけでも血糖は上昇します。こういう方々は、たとえ薬剤の手助けを借りてでもまず早々にきちんと血糖コントロールするのが一番健全ではありますまいか。血糖コントロールさえうまくいけば変に修行僧みたいな人生を送らなくてもいいし、食べるもののガマンを強いられている感覚が減れば、自ずと食べる量は減っていくものです。
健全な人生を歩もうと思うなら、特にまだ当分ストレスフルな人生を歩まざるを得ないのなら、悪いことは云いません。とりあえず、可及的速やかにインスリンコントロールをしてもらってください。
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