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酸性食と腎不全

肉の多い酸性食が腎疾患患者にリスクをもたらす

HealthDay Newsの2015.3.2の記事によると、慢性腎疾患を抱える患者が日常的に肉の多い高酸性の食事を食べていると腎不全リスクが増すという研究報告が、カリフォルニア大学サンフランシスコ校から発表された(腎疾患患者約1500人を14年間調査したところ、高酸性の食事を摂取していた群は腎不全リスクが低酸性食を摂取していた群の3倍になったというもの)のだそうです。腎機能障害があれば代謝性アシドーシスになりやすいから野菜を食わずに肉ばかり食う食生活が腎機能を悪化させるであろうことは、医療従事者であれば腎臓専門医でなくても想像できるはなしで、特段目新しい内容もないように感じるのですが・・・。

「慢性腎臓病患者が腎不全の進行を抑えるために高酸性の食事の摂取にもっと注意を払う必要がある」とか「果物や野菜に富む健康的な食事を取り入れることで、透析治療を避けることができる」とか専門家たちが結論付けているようですが、きっと問題はそんなことではなく、慢性腎臓病患者さんは総じて野菜が嫌いでお肉が好きなのだということでしょう。高血圧患者さんが塩分が好きで、糖尿病患者さんがカロリーリッチな食べ物に目がないのと同じように、そうすれば良いということやそうすべきだということは重々承知なのだけれど、できないのだという現実。どんな専門医や専門ナースであっても実感できない当事者だけの悩みにどうアドバイスしてあげられるのか? 他の動脈硬化疾患の予防にもつながる大事なこと。「しないと悪くなる、すれば良くなる」という臨床データをいくら並べられても、行動変容にはつながりません。人生、好きなことして過ごしたいんですもの。ぜひ、ここで皆が動き出せる画期的なアドバイスを提示してほしいものです。

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