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脂質制限論争

最近、脂質制限をする必要がない、あるはしない方がいい、あるは脂肪はむしろとった方がいい、という勧告が国際的にはたくさん出回り始めている事をご存知だろうか? それは脂質制限しても動脈硬化に伴う死亡や全死亡をまったく予防できなかった報告や、高脂質食による介入でかえって心血管疾患が予防できたスタディ、あるいは飽和脂肪酸をω6リノール酸に置き換えたらかえって心血管疾患が増えたスタディなどが立て続けに報告されたことがきっかけのようです。それは日本でも同じだと、先日読んだ北里研究所病院の山田悟先生の解説にも書かれていました。

アメリカでも正式に「コレステロールは過剰摂取が懸念される栄養素ではない」とコメントされましたから、脂肪を控えたところで何も良くならないというのは正解なのではないかと思います。ただ、何かみなさん勘違いしそうな気がしますが、血中コレステロールの値のことの論争ではありません。血中コレステロール、特にLDL(悪玉)コレステロールを減らすために脂肪の多い食材を取らないようにしたり、質のいい脂肪に変えたりしても、ほとんど効果がないぞ!と云っているわけです。それはわたしとしては昔から感じていたことです。LDLコレステロールはたしかに運動では下がらず食事性なのだけれど、よほど乱れた人生を送ってきてない限り脂肪を減らしても値は簡単には改善しませんし、たとえ体重が10キロ減ってもLDLは変わらないという人はたくさんいます。脂肪摂取を減らしてもカロリーが多ければそれで合成されるのがコレステロールですし、持っている体質という点では糖代謝異常よりも頑固かもしれません。やっぱり、あれが良いとかこれが悪いとか、食べ物の栄養素を個別で語っても意味がなく、全体を減らすしかないということなんだな、ということで納得した次第です。

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