胎児はひそかに苦しんでいる
2015/4/8配信のCareNetにあるこの論文はかなり衝撃的な画像が含まれています。
胎児20例を対象に、妊娠24~36週の間に4回の4D超音波スキャンを実施したところ、母親が喫煙している4人の胎児はそれ以外の胎児に比べて口の運動の速度が有意に速かったほか、顔に触れる動作の頻度が減少するのに長い期間を要することがわかった、というものです。これは、妊娠中の喫煙が胎児の中枢神経系の発達に影響を及ぼすためだと考えられる、と結論づけています。妊婦さんのストレスやうつ状態も影響は受けるけれど、それらを感じているお母さんの中で比較してもやはり喫煙者の胎児に有意にその変化が見られたそうです。
ニコチン作用や低酸素血症の影響が直接胎児に出てくるのは当然想像できることですが、生まれてきた赤ん坊の健康状態に客観的な問題はみられていないだけに、喫煙習慣のあるお母さんはストレスが云い訳になってなかなかタバコを止められないでしょう。でも、わが子のお腹の中でのこの苦悶状の表情を画像でみせつけられたら、きっとタバコなんて即座に止めるでしょうね。それくらいインパクトの強い写真です。これはもちろん、間接喫煙でも云えることだと思うのですが、スモーカーのお父さんがいる家庭での検討はどうなのでしょう?
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