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コレステロール制限撤廃の波(後)

(つづき)

一番心配なのは、かつてメタボの腹囲測定論争や高血圧基準の論争がそうであったように、「だから何もかもが信用できないんだよ!」と嘯(うそぶ)いて、今までの努力をすべて反故にするヒトが現れてくることでしょう。彼らは、常にそのタイミングを待っていますから。どうせ自分に返ってくるだけのことだとはいえ、医療者の良識というものがあります。

最後に、講義のスライドを作るために書き写したポイントをメモ書きしておきます。
●肉の脂身や乳製品、卵黄などに含まれるコレステロール/飽和脂肪酸の摂取を減らすことを推奨
●コレステロール摂取のみの制限では改善は期待できない。生活習慣、運動、食事の包括的な修正は必須。コレステロールだけでなく、脂肪酸のバランスにも留意することが大切
●体内のコレステロールのうち、食事由来の割合は20%に過ぎず残りは体内で合成される。コレステロール摂取だけが血清コレステロールを上昇させるわけではない
●食事からのコレステロールの吸収率は、2割~8割と個人差が大きい
●コレステロールは細胞膜やホルモン・胆汁酸の原料となるが、余剰分は身体活動などで燃焼されることなく血中や血管壁などに蓄積し、動脈硬化の進行につながる
●日本人に抗動脈硬化効果が期待される具体的な食事として「伝統的な日本食(The Japan Diet)」を推奨(“和食”ではない:天ぷらやお好み焼きは違う)
●未精製穀類は過剰なコレステロールを体外に排出する水溶性の食物繊維が豊富だから、白米から切り替えるだけで効果がある
●果物は過剰摂取でトリグリセライドが上昇する人がいるので、味を楽しむ程度が望ましい
●脂質異常症あるいは動脈硬化性疾患リスク例の食事療法の重要なポイントとして①肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、高トリグリセライド血症の人は摂取カロリーを制限する②高LDLコレステロール血症の人は、より飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量に注意する

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