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酒で赤くなるヒト

「酒に弱い人」は冠攣縮性狭心症のリスクが高い

日本循環器学会(通称「日循」)の演題発表は亡きボスの時代からステイタスシンボルで、毎年休み返上でテーマに向かっての研究をしていたころを思い出します。

熊本機能病院の水野雄二先生が発表したこの内容も、なかなか面白く読ませていただきました。日本人に特に多い冠動脈れん縮性狭心症の研究は熊本大学がいつもリードしてきましたが、意外なところに目をつけたなと思います。

酒を飲んですぐに顔が赤くなる(アルコールフラッシング症候群)ヒトはアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)という物質の活性が低下していて、食道がんになりやすいので内視鏡検査のときに食道の検査をすることが重要、というのは存じていました。日本人の約4割にこのALDH2遺伝子多型がみられるそうです。で、このALDH2遺伝子多型のヒトは冠動脈れん縮性狭心症を起こす確率も有意に高いという結果を報告されました。

「酒を飲んで顔が赤くなるヒトは食道がんだけでなく冠動脈れん縮性狭心症にもなりやすい」という結論です。冠動脈れん縮性狭心症といえば最大の誘因は喫煙ですから、お酒好きであれ雰囲気だけが好きであれ、たばこの煙でもうもうとした中での酒宴は、完全に自殺行為になるようですのでご注意を。

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