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肥満に関する2つの話題

肥満が子どもに伝わる理由のヒント
米国糖尿病協会(ADA)年次集会で発表された米コロラド大学医学部助教授のKristen Boyle氏らの研究によると、肥満のお母さんは子宮内で余分な脂肪の蓄積やインスリン抵抗性につながる代謝の変化がプログラムされる可能性があることがわかったとのこと。乳児の臍帯幹細胞を抽出して脂肪細胞と筋細胞に培養したところ、太ったお母さんの子の細胞では脂肪量が30%多かったというものです。そういえば、先日ご紹介した『エピジェネティックス』の”環境因子による遺伝子発現制御機構”の説明の中にもそのことは書かれていました。どうも、外様(とざま)の習慣が、生まれもった”由緒正しい家系”をも強引に凌駕する時代がきているようであります。

家庭の経済状況が青年期の肥満に影響
「Journal of Epidemiology」電子版に5月23日掲載された日本医科大学衛生学・公衆衛生学助教の可知悠子氏らの研究論文もまた、以前欧米で発表された内容の日本版として興味深いものでした。低収入家庭の子どもは肥満になりやすいという結論は欧米でも日本でも同じだった(おそらくファストフードや廉価の油菓子などばかりを食うから)のですが、日本では学童期の子どもには認められなかったということ。つまりこれが「学校給食の効果」なのだと考察されていました。さてそんな学校給食・・・アレルギーや食の自由の主張の中で壊れ行こうとしていますが、これからどうなることやら。

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