本当の異常はどこにある?
主婦のAさんは、たまたま行った町の健診で「空腹時血糖値100」の高血糖を指摘されました。そのため毎日食事を控えめにして散歩もするように心がけて、時々近くのクリニックで採血してもらうのですが、いつも103とか106とかの値でなかなか改善しませんでした。そこで今回、番組が薦める方法を一週間試してもらったところ、なんと!血糖値が98と初めて正常値を示したではありませんか! Aさんも涙ぐみながら喜んでいます。
という類の番組を最近になって何度か目にしました。これ、どうでしょう?「それ、全部同じじゃん!100も106も正常値だし、98なんて100と何も変わらないじゃん! 正常値の人が頑張ったけど正常値のままで、特殊な方法を試したらなんと正常値になりました」ていう内容を30分もかけてまことしやかに云ってる。こういう番組は必ず監修する医者がいるはずなのに、どうしてこれを許すのだろう?
「空腹時血糖値100〜109」は「正常高値」に分類されます。いわゆるメタボの定義の予備軍と云われるのは「110〜125」の人で、これはたしかに異常値です。でも正常高値は異常値ではありません。この中の2割から4割に糖尿病になりやすい人が隠れているので、食後高血糖にならないように日頃の生活に注意して糖尿病を予防しましょう、という意味でひっかけています。だからそれが98になっても同じことです。正常高値の空腹時血糖を正常値にするためにわざわざ健診で引っ掛けているのではありません。現場が必死に予防啓蒙しようと頑張っているのに、マスコミがこんな間違った解釈をまことしやかに発信しているのでは意味がないではないか!と、怒り心頭な似非医師オヤジでした。
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