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スタチンも生き残れるのか?

健康な高齢者への脂質低下療法で初発脳卒中リスクが3割低下

フランスの前向きコホート研究で、心血管イベントの既往歴がない高齢者において,スタチン系薬を用いた脂質低下療法により脳卒中リスクが約30%低下することが示されたという記事がMTProに載っていました。心血管疾患の予防にコレステロール低下薬が有効だというのが確認されているのは若い世代だけであって、75歳以上では動脈硬化性疾患が明確にあるのでなければコレステロールを無理に下げる治療はしなくてもいい、というのが最近の考え方なわけです。さらにスタチン系薬剤で糖代謝異常が助長されるなどと云うデータが出されてきて、一時『夢のクスリ』とまで云われていたスタチン系薬剤の風あたりが強い今日このごろ。

そんな折でのこの研究報告です(フランス国立衛生医学研究所(INSERM)のAnnick Alp氏ら、BMJ 2015; 350: h2335))。狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患リスクを下げるわけではありませんが、脳卒中の初発リスクは低下させたのだそうです。詳しいデータを書き写してもしょうがないので書きませんが、問題は、だから高コレステロール血症だけを有する元気な後期高齢者の方に、脳卒中にならないようにクスリを処方するか?ということになりましょうか。確率論に起因するデータは、現実論としてはなかなか悩ましい。後期高齢者で高血圧も糖尿病もメタボも何ら縁がない方(縁がある方はもちろんコレステロール管理が必要なわけでここのはなしの輪には入れません)なのです。クスリを飲む必要がありましょうか?

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