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運動負荷心電図検査

人間ドックの2日間ドック(宿泊ドック)では多くの施設で運動負荷心電図試験を行っています。心電図を胸に貼り付けて運動負荷を行い、運動に伴う心電図変化を確認するものです。二段の階段を一定回数上り下りして前後で心電図測定するもの(マスター負荷)から自転車(エルゴメーター)やルームランナー(トレッドミル)での負荷までいろいろです。何をみたいのかといえば、運動することが安全かどうかを確認することと自分の心肺能力(運動耐容能)を確認することです。

ところが、弁膜症や狭心症・心筋梗塞などを患って日頃治療を受けているひとほどこの検査を受けたがります。もう治療中なのだし、ここで運動によって狭心症発作や不整脈が起きないかどうかを確認するわけではないのだから、と説得しても、受けたがります。金を払っているのだし、受ける権利があると主張したがります。その度に、わたしに相談の電話がかかりますが、「意味はないけど、特別な運動制限の指示を受けていないんだったらやってもいいんじゃないの」と答えることにしています。

外来では、目いっぱい負荷をかけます。日常生活では許可されないレベルまでやってみても何も起きない(心電図変化も症状も)ことを確認するためには、日常生活よりはるかに高いレベルの負荷をかけてみる必要があります。だから、外来では目いっぱいの負荷をかけます。でも、健診や人間ドックではそんなことはさせません。ドック中に何かが起きては困るからです。だからかける負荷の量が中途半端なのです。何も治療中ではないヒトにはそのレベルでも意味はありますが、心臓病を治療しているヒトには中途半端すぎます。心臓の治療をしているからこそ検査を受けてみたいのかもしれませんが、わたしたちに云わせれば、治療を受けているからこそその検査は外来で受けてほしい。そう思っています。

ちなみに、「先日、某循環器内科の医師が、『健診のスクリーニングで運動負荷するのは意味がない』と云っていたのだけれど、どう思う?」と上司から聞かれました。最近の診療現場では運動負荷検査の要否が語られています。健診では、別に病気を見つけだすために運動負荷をしているのではなく、「日常生活で運動を指導しても大丈夫なのかを確認している」と、わたしは思っていますけど、違いますか。

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