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2015年7月

放置は放置

「わたしは受診したいのだけど、仕事が忙しくて病院に行く時間がないから止むを得ず行けてないのであって、断じて放置していたのではない!それなのに簡単に『放置していた』と云われるのは心外だ」

先日、あるドック受診者の過去の問診記事を読んでいたら、こんな会話のメモを見つけました。健診結果の説明のときに「3年前にも同じ所見で紹介状を出していたのに3年間放置しましたね」と云われたというのです。「コトバ選びは重要だと思われる」と保健師さんの意見まで書いてありました。もしかしたら、そんなことを云ったのは口の悪いわたしだったかもしれないな、とか思いながら読みました。

でもね、云いたいことはわかるけどね、それ、お門違いも甚だしい。そんなこと単なる自分の都合なのであって、放置は放置でしょ。そもそも日本語の使い方を間違っているのです。「受診したい気持ちはあるのだけれど、仕事が忙しくて放置するしかなかった。放置したかったわけじゃないけど、放置せざるを得なかった」と云うのが正式な日本語の使い方です。忙しくて自分の健康の管理すらままならない自分の境遇にイラついていたのかもしれませんが、クレームを云うのはおかしいと思う。でもそれよりも、これを教訓の様に総括した保健師さん・・・傾聴は大事だけれど、本当にそれでいいのだろうか?

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運動突然死

第21回日本心臓リハビリテーション学会総会のシンポジウムで前述のAntonio Pelliccia氏が、運動時の心臓突然死についてまとめられました。

●運動を始めると、運動をほとんどしない人に比べて死亡率が44%も低下するが、強すぎる運動は返って危険性を高める。

●心臓突然死について、成人の場合はカラダを動かすアスリートに圧倒的に多く、その80%は虚血性心発作である。そのメカニズムは動脈硬化の進行による冠動脈狭窄が原因の心筋梗塞ではない。激しい運動によって冠動脈の壁にストレスをかけると攣縮(血管壁がけいれんを起こす)が生じやすくなる。その壁の歪みによって小さな亀裂が生じる(プラークの破たん)と、そこに血栓が形成されて血管腔閉塞を来す、というもの。これを予防するためには、中等度までの運動なら前もって自己評価をするチェック票(Self assessment of the risk)PAR-Qなどでよいが、高強度の運動するヒトはきちんとメディカルチェックをうけるべきである。

●15歳以下の若年突然死は、ほとんどが心血管異常(肥大型心筋症や左室肥大など)であり、前駆症状があることはまれなので、予防するためにはまず心電図検査が必須である。

英語の講演でしたし、半分寝ていましたから、わたしのメモ帳にはこの程度のことしか書かれていませんでしたが、なかなか興味深いレクチャーでした。

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一筆啓上賞

「天国の妻」へ  おーい、お花を新しくしたぞ。活け方に文句があるなら出てこいや

「おかあさん」へ  病院で一人ねるのはさみしいですね。部屋に花があったね。だれか、きてくれたんだね。

・・・先日、運転中にラジオで聴きながら、思わず涙してしまいました。

もともとは、『日本一短い手紙 一筆啓上賞』。福井県坂井市丸岡町ゆかりの徳川家康の忠臣本多作左衛門重次が陣中から妻に宛てた短い手紙「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」にちなんで始まったコンクールだそうです。昨年、第22回のお題は「花」

40字以内に伝えたいことをしたためる。いいな、どの手紙もみんな。

今年のお題は「うた」だそうです。

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動かないと・・・。

座っている時間が長いと不安になりやすい? 立ち上がって運動をしよう

オーストラリアのディーキン大学のミーガン ティチェン氏らが9件の研究レビューを行った結果として、座っている時間が長い運動不足の生活を続けていると、不安症のリスクが上昇するという報告をしました。

現代社会は、その必要がなければ一日中座っているか寝ているかで過ごしても何ら支障のない時代です。うちの妻など、わたしが出張などで家を空けると本当に一歩も家を出ないことがありますし、スキあらば撮り貯めしたビデオを観ています。座っている時間が長いと、肥満や心臓病、2型糖尿病、がん、骨粗鬆症などの生活習慣病を発症しやすいことはよく知られていますが、「テレビなどを1日に2時間以上視聴すると、2時間未満の場合に比べ、不安のリスクが36%増加することが明らかにされた」なんて聞いたら、あわてて立ち上がりたくなりませんか?以前ある臨床心理士さんの講演で聞いたことがありますが、ある心理学の教授が、ずっと部屋に閉じこもっていたらどうなるかを自ら実験したところ、もともと何の問題もなかったその教授が数日のうちに見る見るうつ状態に陥ったそうです。ゼミの学生たちが無理矢理部屋から外に引っ張り出して事なきを得たそうですが・・・おそろしや、おそろしや。

運動不足でテレビ視聴時間が長い人はご注意 認知症リスクが上昇

一方で、こういう話題も。北カリフォルニア教育研究所(NCIRE)のティナ ホアン氏らが国際アルツハイマー病学会の学術集会で発表した内容によると、「テレビの1日の視聴時間が長く、運動不足の生活スタイルが若い頃から続いている人は、中年以降に認知能力が低下しやすく、認知症のリスクが上昇する」そうです。「体を動かす時間の減少は脳の老化につながります。アルツハイマー病などの認知症を予防するためには、運動や身体活動の減少を防ぐことが必要」です。

もはや、疑う余地のない事・・・とにかく、少しでも動いた方がいいみたいです。

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糖尿病の重要度

The Emerging Risk Factors Collaboration(ERFC)試験の結果が発表され、それに対する解説文をCareNetで読みました。

糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、2つ以上の罹患歴があると…/JAMA

英国・ケンブリッジ大学のEmanuele Di Angelantonio氏らERFCの研究グループから、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞のうち2つ以上の罹患歴を有する場合を、心代謝性疾患の多疾病罹患(cardiometabolic multimorbidity)と呼び、このような集団は、罹患歴がない場合に比べ死亡リスクが相乗的に増大することが示されたのです。

気軽にこのデータを眺めていて、あまり新しい情報とも感じず、さもありなん、と読み流そうとして、ハタと気づきました。たしかにコメンテーターの浦信行先生が云われる通り、「糖尿病」が「心筋梗塞」や「脳卒中」と並列で並べられている・・・つまり、糖尿病は高血圧や脂質異常などの『動脈硬化のリスクファクター』レベルではなく、もっとはるか上のレベル=生死に関わる確率が心筋梗塞や脳卒中に匹敵するということが示されていることになります。

糖尿病はそれだけ危険な確固たる”病気”なのだということ、それもかなり危険なレベルの”病気”なのだということを、当事者も治療者もしっかり意識しなければいけない、ということをこのERFC試験は示してくれたことになります。

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ダイエットに関する新事実?

先日、テレビでやっていた『ダイエットに関する新事実』なる番組。
⚫︎朝食にはω3系オイルを野菜ジュースにたらして飲むと脂肪が燃えやすい。
⚫︎炭水化物は加熱したものを冷やしてから食べると太りにくい。
⚫︎足上げ体操一分間。
⚫︎コーヒーを飲んでから風呂に入るとやせやすい。風呂にグレープフルーツの皮を入れて入ると、なお良い。
⚫︎低炭水化物ダイエットはたんぱく質や脂質をきちんと摂らないとサルコペニア肥満になる。

ざっとこんな内容だったと思うのですが、何が新事実なのかよくわかりませんでしたよ。『冷や飯食いが有効』ということを除けば、どれもわたしがここで書いたことのあるものばかり。わたしの講演を聴いたことのある人は、皆さん、「そんなこと、知っちょるわ!」とテレビの前でツッコミを入れてくれたでしょうか(笑)

でも、サルコペニア肥満の説明はちと違うと思いました。炭水化物を摂らない代わりにそれ以外はしっかり摂るべきだ、という理論が低炭水化物ダイエットの元々の基本なのですが、そうやってもやせない時は単に食べ過ぎなのだということに言及してほしかったです。『炭水化物を減らした分の必要なカロリーを他で補う』は私のように適正カロリーを摂っている人の事。サルコペニア肥満は基本的に運動不足なのですから、食うてゴロゴロしててなんとかなるだろう!は甘かろう。

これを見て、早速風呂にグレープフルーツのアロマオイルをたらしてご飯をわざわざ冷や飯にしている妻。ご飯好きな人にとって、あったかいホクホクご飯をわざわざ冷や飯にするって、本末転倒なんじゃないのかいな?

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日本人の真髄(後)

(つづき)

ただ、今、日本は明らかに変わろうとしています。日本人はホントは世界でいちばん素晴らしい国民なのだといことをもっと知るべきだと主張する竹田氏の意見とは裏腹に、最近の子どもたちは親や教師から「将来、世のため人のために役立つ人間になりなさい」とか云われて育ってきていないように思います。むしろグローバライゼイションの名の元に、国際的視野を持った人間になるためには欧米流の合理的な考え方を培うべきであって、島国根性の日本古来の考え方は野暮ったくてスマートではない、と教えられてきているのではあるまいか。国際的な考え方は欧米流の考え方から始まると思うのはあまりに浅はか。それを考えると、全く国家主義でも民族主義でもないわたしですら、日本人らしさは誇らしい美徳であり、絶対に無くしてはいけない財産だ!と主張せずにはおれなくなってくるから不思議です。

一方、竹田氏の話を聴きながら思い出したのは、最近小さな子を持つ若い世代でニュージーランドに移住する家族が増えている、という数ヶ月前に見たテレビ番組のことでした。『何のために生きるか?』・・・ニュージーランドの教育は日本とは違って各自のレベルやリズムに合わせた個別のカリキュラムを組めるシステムです。グローバルな生き方ができるように、世界基準の考え方ができるように、欧米の教育システムを模倣しようとするあまり、古来の教育論をないがしろにした上に何だか芯のない暗中模索のシステムになってきた感の日本の教育。その渦中で受験戦争と競争に翻弄されるのではなく、ゆっくりと自分のペースで自分のやりたいことをさせたいという親が増えてきているというのですが、それも考えてみればやはり自分のための生き方。決して、『世のため人のため』というものではありません。国が憲法解釈を曲げてでも強引に決めようとしている法案・・・こんなものが『世のため人のため』だとは全く思えません。やはり、日本人古来の生き方は、別格なのかもしれません。

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日本人の真髄(前)

第21回日本心臓リハビリテーション学会総会の特別講演は、あの竹田恒泰氏でした(本当の肩書きを存じません・・・本当の肩書きがよくわからない人にちょっと憧れます。あちこちで才能を発揮するから、「あんたホントは何する人?」となるのでしょうから)。約一時間の話のタイトルは『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』・・・まあ、相変わらず口が悪くてロシアや中国や欧米をボロクソに云っていましたが、それでも共感できることも多くて、昼下がりに眠ることなく話を聴くことができました。

昔からの大国ではない日本がなぜこんな経済大国になったか?それも二回も・・・それは日本の豊饒な国土の中で育まれた国民性にあり、子供のころから必ず教えられてきた教育にある。それは良いか悪いかという問題ではなく、単に普遍的な考え方の違い・・・『世のため人のためになるように生きるのが本望である』ということ。欧米的な教育(周りを押し退けてでも成功しろ!成功したら周りを幸せにさせることを考えよ)とは根本が違うのだそうな。

「労働は(世のため人のためになるから)喜びである」という考え方と「労働は罪の償いである」というキリスト教の考え方の違いはいかんともしがたい。『指示されたこと以上のこと』をしてあげようとする日本人、『指示されたことしか』しないようにしている欧米人、『指示したことすら』しない◯◯人(相変わらず発する言葉が辛辣です)に、信頼度や信用度の歴然とした違いが出てきても何ら不思議はない、という竹田氏の論調はたしかに納得できるものではありました。  (つづく)

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予防心臓病学

先日、時折スコールが降る蒸し暑さ満載の博多で行われた、第21回日本心臓リハビリテーション学会総会に行ってきました。昨年京都で行われた第20回でも感じましたが、心リハの潮流はもはや二次予防・三次予防ではなくて、明らかに一次予防にシフトしてきています。今回のメインテーマは『新たな予防医療の創造、そして、展開』であり、次回のテーマは『予防心臓病学の未来を語ろう』です。会長招聘講演をされたAntonio Pelliccia氏もテーマは『心臓病予防のための戦略についてEACPRからの提言』であり、ヨーロッパでも予防心臓病学が重要になっていることを話されました。これから、世界全体が加速度的に予防医療の重要性を強調する時代になっていることを、昨年以上に実感した次第です。

「予防医療なんて医者のすることではない」と云っていた重鎮達が、こぞって「これからは予防医療なしでは医療は語れない」などと語っているのをちょっと面白く眺めながら、これが”時代”というものなのだと感じました。昔、「断らない救急なんか、高度医療の妨げだ!」と吠えていた幹部が、「医療の原点は断らない救急だ」と全国に向けて発信しているのを見て驚いたのに似ています。

少なくとも、わたしが医者としてその都度選択した道が、アウトローの選択のようで実は常に社会の先取りだったこと、こっそりほくそ笑んでいます。

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価値観

ありがたいことに、この季節はお中元でいつもプレミアム系高級ビールの詰め合わせをいただきます。もちろん小出しに冷蔵庫で冷やして美味しくいただきます。ただ、実はもっと安い発泡酒や第三のビールとの味の価値の違いがあまりわかっていません。「え〜、全然違うじゃないか!」って? 味の差くらい、わたしの鈍感な舌でもわかります。ビールの方が濃くてコクがあるというのはわかりますが、高くてありがたいものの方が旨いのか、となるとよく分からないのです。旨いか美味くないかは、舌が肥えているかいないかとか口にしなれているかいないかというよりも、好きか嫌いかといった、ほとんど嗜好の問題だという気がします。

「それは君が本当の美味しい本場の味を味わったことがないからだよ」と、まだ食い下がって何とか導いてくれようとする御仁もおられますが、ま、ほっといてください。これまでの人生で、これでもわたしなりに『おいしいもの』をとてもたくさんいただいてきた幸せ者ですから、悔いはございません(笑)

遠い昔、洋酒を家で飲まないわたしがスタッフのお宅で開かれたBBQに戴き物の高級ウィスキーを持っていったことがあります。あの時は後で妻にこっぴどく叱られました。「だって、絶対これ飲まないんだもの。みんなに飲んでもらった方が有意義じゃない?」と云ったら、「あなたが飲まなくても、大事なお客さんが来た時に出す可能性だってあるじゃないの!」ですって。なるほど、そりゃそうだ、と素直に反省しました(笑)

 

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後期高齢者の運動

地域の85歳以上の超高齢者に運動の大切さを教える教室を開くに当たって、担当スタッフから相談を受けました。「『理想的なBMIを目指すのがいい』と某医師がセミナーで云ったそうなのですが、高齢者にとっての『理想的なBMI』とは、どんな値なのですか」と。

この質問はなかなか難しい問題です。メタボ世代と違って、やせればいいというモノではありませんし、むしろやせないようにすべき世代なわけで、サルコペニア、あるいはサルコペニア肥満の問題をはらんでいる世代ですから太ってもやせてもダメだと思うし、一体何を目標にして、何をモチベーションにして頑張ればいいのでしょう?

知り合いの専門家M氏にメールで聞いてみました。すると、
「ズバリ。『いつまでも自分の足で、好きなときに移動(歩く)ことができる』です」と、きわめて単純明解なお答え。「基本的に後期高齢者にBMIの話をすることは余りありません。死ぬまで食べたいものを食べる方がいいと思います。エビデンスは微妙ですが」とも付け加えてくれました。

私も同感です。年寄りで余命いくばくもないから好きにしたらいい、という意味ではありません。健康に気を遣うあまりに大事なことを置き去りにしては意味がありません。それは『生き甲斐』と云ったらいいのでしょうか。理想的なBMIなんてなくて、体重が変化ないのが一番いいと思うのですが、ただ、もともと運動欲のない人間はとってどうやったら運動する気になれるんだろうか?死ぬまで楽しく動いている人生を送るためには、どんなモチベーションを持てば実現できるのだろうか? 運動しないとボケるよ、運動しないと老化するよ、運動しないと寝たきりになるよと脅されて、動きたくもないのに無理矢理に健康教室や運動教室に通わされる人生って、メタボ対策やダイエット目的でフィットネスジムに通う若者たちの人生よりはるかに虚しい気がしてなりません。わたしは、そこのところに明解な答が準備できなくて、モヤモヤしています。

ちなみに、ネットで検索していたら日本介護予防普及協会なる団体の『包括的高齢者運動トレーニング』というのが見つかりました。なんか面白そうな内容でした。

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整合性(後)

(つづき)

「この検査項目は臨床的に全く意味がないから、来年度から外してくれない?」というと、事務方が色めきだって反対します。「これは契約団体との合意項目だから減らすわけにいかない」と。あるいは、「専門ドックに全然関係ない採血項目を入れるのやめてくれない? 目的に関係ない異常で紹介状を出すのは本末転倒でしょ? 例えば、がんドックなのに慢性腎臓病の紹介状を出すとか」と云うと、「労働安全衛生法に義務付けられている最低限の項目を入れておかないと営業上売り込みしにくいから、絶対にダメ!」とも云われて、『人間ドックってなんなのよ?』と思ってしまう今日この頃・・・。

値段据え置きならなんでもたくさん入っている方がお得感があるからそれを売りにしたい。だから一旦項目に謳ったものを削るのはかなり大変なのだ!と事務的な都合を並べるけれど、臨床的に全く意味がなくても異常値が出たらそれを説明しなければならない、そんな医者の 身にもなってみろよ!と云いたい。

「この機会に勇気を持って削りましょうよ」と食い下がったら、「他の健診施設がしているのにうちだけやめるのは難しい」と返されました。それなら、他の施設全体に働きかけて、みんなで足並み揃えてやめればいいじゃないですか! もっと、前向きに他をリードできる組織になりましょうよ。

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整合性(前)

人間ドックの判定基準を考えるとき、他の施設と大きく異なるものをつくり出そうとすると、必ず反対意見が出てきます。『要精査』『要治療』の判定率が大きく変わってしまうとか、精査受診率が下がる懸念があるとか・・・つまりは他の施設の率と大きく掛け離れるとおかしいとか、これまでの年度別の比較ができないとか、そういう理由のようです。

どうして、そんなに統計的な数値が重要なのかよくわかりません。集団検診のような対策型健診は費用対効果の評価が必要だからマスで考えるのもやむを得ないとしても、それを人間ドックのような個別の健診と一緒くたにしては元も子もない。個別の各々の健康状態を評価するのに、世間の数値に惑わされる必要もないし、他と横並びになる必要もない。せいぜい、その人の前回の値と比べてどうなのかを評価すればいいだけのことではないのだろうか、と思います。

「他との整合性」という言葉が全く理解できません。そういう思いになるのは、やはりわたしが臨床医だからなのでしょうか。   (つづく)

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ふて腐れた顔

これ以上ないぞと云わんばかりのふて腐れた顔をして診察室に入ってくる人。男性にも女性にも時々おられますが、そんな時の彼らの心理状態はどうなのでしょう?

「オレは今、不機嫌なんだぞ!」と皆に分からせたいのでしょうか? 「どうされましたか?」と気を遣ってもらいたいのでしょうか?「 とても頭にくる対応をされた」とか、「ずっと待たされて疲れた」とか、「それくらいそっちで悟れ!」とか云っているのでしょうか?あるいは、「お前みたいな若造になめられてたまるか!」「 偉そうなことは云わせんぞ!」という、戦いのセオリーとして機先を制するやり方なのでしょうか? 「何で客であるオレの方がへりくだってヘラヘラ笑って頭を下げなきゃいかんのじゃ?」 という感じ?

彼らの心理状態を想像しながら、「まあ結局、『自分にもっとかまって!』とダダこねてる甘えん坊さんなんだろうな」と思って接しています。なんとなく優越感に浸っているかもしれないそんな” かまってちゃん”さん方、どうぞ、ご承知おきくださいませ。

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頭髪の問題

Care Netから『アンチエイジングにまつわる研究5題』としてまとめられた話題が提供されてきましたが、まあほとんどは男性の頭髪の問題。

●脱毛症は、冠状動脈性心疾患のリスク上昇と関連:脱毛症は高血圧、高インスリン血症、インスリン抵抗性、メタボリックシンドロームのリスク上昇、血清総コレステロール値・トリグリセリド値の上昇とも関連が認められた(International journal of cardiology誌2014年10月20日号)

●若白髪は、喫煙、若白髪の家族歴、肥満と関連:若白髪の家族歴と肥満は、若白髪の重症度と相関する(Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2014年12月4日号)

●日本人の男性型脱毛症(AGA)の薄毛プロセスは、毛髪の濃さよりも毛包が小さくなることが寄与(British Journal of Dermatology誌2014年11月号)

●男性型脱毛症、耳たぶのしわ、眼瞼黄色腫といった「見た目の加齢徴候」は、虚血性心疾患のリスク:見た目の加齢徴候が3~4あると、虚血性心疾患リスクは1.4倍になる(Copenhagen City Heart Study)

●女性の顔の肝斑発生のリスク因子:色素沈着耐久力、先祖、慢性的な日光曝露、性ホルモン薬、向精神薬、不安気質が、それぞれ独立して関連している(British Journal of Dermatology誌オンライン版2014年4月19日号)

ただ、だからどうなのよ?という気はします。某発毛剤を使って髪の毛を増やせば心筋梗塞になりにくくなるのか? 禁煙したりダイエットしたりしたら髪が黒くなるのか?と云えば、そういうこともないのでしょう。注意を促せると云えば促せるのでしょうけれども・・・。

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あーーーーー。

あーーーーー、書く気にならん。

ネタ帳を眺めること一週間、どうしても書く気が起きませんので、

今日は、おやすみっ!

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思いの外、重症だった

健診の運動負荷検査なんて虚血のスクリーニングには無能だ!という批判を受けながら、そして今は循環器内科の外来でも運動負荷心電図検査は積極的に行わない時代でもあります。

その人は、有意な接合部型のST低下を呈しました。たしかに今までの負荷試験は陰性でしたから新たに出現した異常所見ですが、症状もなく、この程度で専門医への精査指示を出すと、『こんな程度で紹介状なんか出しやがって!忙しい外来が一層忙しくなる!』オーラ満載の「異常なし」「所見あるが治療不要、健診で経過観察」という無機質な返信が返ってくるのがほとんどなので、判定に躊躇します。それでも、勇気を持って『要精密検査』指示を出したのは、この人が高血圧症と糖尿病の治療中(決してコントロール不良ではありません)だったから、この人に運動指導をする上での保険がほしかったからというだけでした。

ところが、約一ヶ月後、「ちょっと疲れやすくて心配だ」という理由で外来受診して受けた心臓CT検査の結果は意外なものでした。左主幹部に75〜90%狭窄病変・・・主幹部病変は心臓の栄養血管(冠動脈)の2/3に影響を与えますから、突然死もあり得る重症病変です。彼はその日のうちに緊急入院して緊急で血管形成術(PCI)を受けたようです。

ほら、やっぱり健診の運動負荷検査は重要じゃないですか!といいたいのではありません。この経緯を聞いて、とても怖くなりました。今までは気軽に『要経過観察』判定をしていたこの所見の中にこんな重症な病変が隠れている。でも、この例を経験したからといってもこの程度の所見だけで今後みんな精査指示にするようになるとは思えないのです。毎日似たような所見の人はざらにいる中で、わたしの胸先三寸の判定で違う人生を送ってしまう人がいるかもしれない。そう思うと、悩ましいばかりです。

 

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禁煙指導

「特保の面談のときに、『タバコをやめる気はありませんか?』と聞いたら、『全くない!』と云い切られるんですよね。何かいい方法はないですかね?」と、ある保健師さんから相談されました。先日は違う保健師さんが、「面談の一番最初に、『禁煙のはなしはしないでください』と先手を打たれました。なんとかやめさせたいんですけど」と思案に暮れていました。

保健師さん方、その熱心さはホントに頭が下がります。ただ、その熱意がカラダ全体からみなぎっていて、『禁煙させたいぞオーラ』の波動砲が受診者さんに向けられてギラギラしているのが傍から見てもすぐわかるのです。『ホントはやめたい』と内心思っている人でも、そりゃ一目散に逃げますよ。

最近、わたしは禁煙に対してあまり深追いはしないことにしています。なんとかしたいと思っている人は、自らその空気を出してきますし、何度もトライしたけど上手くいかなかったエピソードを勝手に話してくれたりします。冒頭の2人の男性はどちらもそんな経歴の人でした。『タバコがカラダに良いから積極的に吸うようにしている』なんて変人はまずいないのですから、画像見せながら「あなたの肺はたぶんタバコとの相性が悪いんでしょう」とか「タバコの肺がんは月単位に進むから、年一回検査しても勝ち目はないみたい」とか「この正常血圧でタバコを吸わない高血圧の人と同じ心筋梗塞率らしいです」とか、ただただツブヤキシロー。相手の反応なんて無視して云い流してますけど、心に残る人にはグッサリくるみたい。

禁煙歴20数回を誇る禁煙指導のカリスマ=大和先生ほど熱い変化球は投げれませんが、へなちょこ球でも、どストライクで参ってくれる人はおります。豪速球だけが球じゃないことも覚えるといいですね。「健康のためにタバコをやめる、なんてことは絶対にしない!」と息巻いていたわたしだから、基本的にわたしはいつも吸っている人の味方です(笑)

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ハッタリです。

「あ、なるほど!そういうことなんですね」とか、「先生の説明は分かりやすくてよく理解できました」とか云われて、内心喜んではいますが、実は最近徐々に怖くなってきています。だって、わたしがまことしやかに云っていること、基本的には根拠のないハッタリですから。いろいろな理屈を書いた難しい専門書や論文を読みながら、自分なりに勝手に解きほぐした理解なので、専門家が聞いたら「あんた一体何云ってんの?」と突き上げられかねません。専門家に「これ正しいか?」などといちいち裏なんか取っていませんから。

『何を食うか?ではなくて、いかに噛み倒すか?が大切』とか『理屈で食わずに、感謝を持って味わって食え!』とか『食べたくないものは食卓に並べるな!』とか、あるいは『早歩きとか考えなくていいけど、ゴロゴロはするな』とか、聞いている側としては具体的で分かりやすいかもしれないけど、根も葉もない嘘っぱちかもしれません。最初はわたし自身素晴らしい理論だと自画自賛してあちこちで偉そうに云い触らしていましたけど、「本当はどうだかわかんないや」と思い始めた時から迷いが生まれています。

理論なんてどうでもいいんです。わたしを信じて実行して、検査データも含めて人生が改善するならそれで万事OK。ただ、これで上手くいったからといってわたしの説明を受け売りしてあちこちに云いふらしてもらうと困る・・・だから、わたしに対する講演依頼を体良く断って、できるだけそっと社会からフェイドアウトしたいわたしです。

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みんなマジメ

人間ドック受診者の医療機関受診率が低いのはどこの施設でも悩みの種です。先日の症例検討会で報告された生活習慣病の巣窟のような厄明け男性の場合もそうでした。何度も電話をして、行けるものから具体的なクリニックを紹介して、やっと受診にこぎつけた事例を保健師さんから報告してもらいました。このディスカッションでは、こんな人が自分の担当する中に居たら、自分ならどんなアプローチをするか、自分だけの決めセリフや隠し球を披露し合ってほしかったのですが、想像以上のコメントは得られませんでした。

総じて、うちのスタッフはみんなマジメで優等生です。教科書やマニュアル本に載っているノウハウ以上の冒険をあまりしません。生活習慣病指導のワークショップや研修会に行くと、もっと突飛な発想を持っている人がたくさん集まってきます。「え、そんなところから攻めてきましたか?」と相手に苦笑いさせるようなフレーズがディスカッションのあちこちから飛び交います。さすがやなあ、と思います。よくもまあ他人様のためにそんなにえぐったところまで介入するなあ、と感心しますが、みんな楽しそう。

保健指導や受診勧奨をするときは、自分だけの切り札や隠し球はいっぱい持っていた方が得です。わたしも長いことこの世界に生きてますからそれなりにそんな引き出しを持っていますが、この世界に入った頃に比べれば、独自の変化球の持ち球が引き出しの中に徐々に増えてきました。思いついたら試してみて、効果があったら、即、メモ!(笑)

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ムーミン

「ねえ、街ってどんなとこ?」

「森とは違うさ」

・・・だね、ムーミン。

街に憧れる時期

   森に憧れる時期

      そしてまた、街がいいなと思う時期

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言い訳の生き物

”ヒトは言い訳の生き物である。”

「やっぱり出張するとダメですな。接待もあるし、ハメも外すし、どうしても飲み食いが過ぎてしまいます」・・・ある人間ドック受診者の男性の言い訳を聞きながら、すかさず上の一言を云ってやりましたら、苦笑いされました。

基本、飲み食いの内容を旅先で悩んではいけない(悩んでも何のメリットもない)わけで、そのときはすべてを忘れてとことん飲み食いした挙句に翌日から数日修行僧になるか、あるいは、「わたしはとうとうドクターストップをかけられました」と宣言して宴席でいじってもらう話題提供者になるか、対処法はそのどちらかしかありません。言い訳なんて、誰も聞いてもいない。というか、言い訳は他人に対してするのではなくて、自分自身に対してしているだけのことです。

「確かにそうですね」・・・彼はわたしの話を聞いてそう云いましたけど、さて、何か変わってくれるでしょうか。

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公にはできないグチ

このオヤジ、どうして、そういう不遜な態度なんだ? 診察室に入ってきたときから上から目線で偉そうに話しているけれど、会社の肩書は大したことないじゃねえか。

あ、このオヤジ、自分の方が年上だと思ってるんじゃねえのか? 悪いけど、わたしゃアンタより6歳も年上なんだよ。アンタが小1のときにわたしゃもう中1だったんだよ(笑) 

ムカッとしてたけど、そんなことこっそり考えていたら、急におかしくなってムカつきなんか消えちゃったわ。

そんな生き方してるから、そんな年寄りのような顔つきになってしまったんだと思うよ。どうせ説明を聞き流しているようだから、いい加減に話し流しておいてやったけどね。

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消えたら・・・

「『おまえから酒を取ったら、何が残るんね?』と云われるくらい酒好きなので、わたしは酒をやめきらんです」と、笑いながらその受診者のおじさんが云ってました。

たしかに、今のあなたは何も残らないかもしれないけれど、その代わり、今まで感じなかった新しい感動が次々に生まれてくるかもしれませんよ。飲まない翌朝は爽快だし、いろいろな初めての気付きがあったり、味覚や感覚が新しく発見できたり。

先日、萩本欽一さんがテレビで云っていたこと・・・老化するといろんなものが消えていくらしいけど、それはしょうがないじゃない? だったら、その分どんどん足していったら良いんじゃない?という発想で大学受験を考えついた・・・この感覚、「そうか!」と合点がいきますね。

消えていくモノを追いかけたり補ったりするのではなく、まったく新しいモノで入れ替える。空になるのならそこには必ずスペースができるのだから、これは変われるチャンスなのかもしれません。

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自分に対するいいわけ

昨夕もまた土砂降りの雨でした。スコールのような雨で道はすぐに川のようになりました。今週末には台風の影響も出そうだとのこと。

先日の日曜日に無理して山の草刈りに行っておいて本当に良かった、と思います。亡き父のそう多くもなかった遺産金で買った小さな土地ですが、放っておくと夏草はすぐに茫々になります。だから定期的に草刈りをしなければならないのですが、何しろ週末はほとんどじっとしていない生活なので、時間を作れません。前回刈ったのが2ヶ月前なのでそろそろ刈らないと収拾がつかなくなることは分かっていましたから、先週末に刈りに行く計画でした。ところが曇り予報だった土曜日が朝から雨。日曜も今ひとつの空模様・・・。

『やらなければならないことは分かってるけれど、やりたいのは山々だけど、何しろ雨だから中止もやむなし!』と云ういいわけが浮かんできました。明らかな大義名分があると、ヒトは面倒くさいことから逃げていくのが常。最近のわたしはいつもそうです。「しょうがないよ、ボクのせいじゃないし」というココロが「しようと思ったらできないことはないぞ!」という意見を無視してきました。そっちの方が楽だし、それで何も困らないし・・・。だから、今回の草刈り断行は大英断・・・えへへ、やっぱりやれるならやることを選んだ方が気持ちいいね。やって後悔することは絶対ないね・・・そんなことを痛感しました(笑)

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運動と敗血症

激しい運動で敗血症になる?

「24時間ウルトラマラソンなど激しい耐久イベントに参加したアスリートの血液検体をイベント前後に採取し、対照群と比較した結果、この種の激しい運動により腸内細菌が血流に漏出し、敗血症に至る可能性があることが判明した」という、ウルトラフリークのうちの若いスタッフが聞いたらショックで倒れてしまいそうなデータがオーストラリア、モナッシュ大学(メルボルン)のRicardo Costa氏らの研究で示唆されたそうです(International Journal of Sports Medicine)。「長時間の運動で腸壁が変化し、内毒素(エンドトキシン)として知られる腸内細菌が血流に漏出することが証明された」というものですが・・・。

筆者は、「これらの耐久イベントのため徐々に準備し、着実なトレーニングプログラムを行った健康なアスリートではこの脅威に打ち勝つ免疫機構が発達する」とも云ってはいますが、「ほぼ全員の被験者に、敗血症入院患者と同じ血液マーカーがみられた。4時間以上の運動または連日の耐久運動は激しい運動と考えられる」とも書かれており、やっぱり、人間のもともと準備されている免疫機能を無視した行為だから止めなさい!と警告しているように思えます。

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慣れるということ

難治性の皮膚湿疹、一応悩まされていますけど、まあ「長年生きているとこんなものですよ」と内心思っています。人間ドックを受けるヒトたちの中には、『異常なし』がちょっと『わずかに異常』に変わっただけでオロオロするヒトがたくさんいますけど、そんなに生まれたばかりのカラダのままでは居れませんよ。それこそ毎日大量の酸化ストレスや糖化ストレスや活性酸素に侵され続けているのですから。

先日、受診された80歳の女性は、「昨年末から動悸がして寝られない」という訴えで人間ドックを受けられました。「去年まではこんなことはなかったのに、一向に治らない」「あちこちの外来を受診してみたけれど埒が明かない」と。もちろん何も異常はありませんでした。「立っていても、寝ていてもずっと動悸がするから眠れない」のだと苦悶様の顔をして訴えました。諸般の検査で異常がなく、何をしても変わらない症状だということは、たぶん臨床的に問題になるような異常はないのでしょう。「ずっと悪化していないのだから『こんなもんだろ』と慣れてしまうしかないんでしょうね」と云ったら、「わかりました。この苦しさを諦めるしかないんですね」と云われました。

「いいえ。諦めるんじゃなくて慣れるだけです。何も悪いことがない以上、諦める必要なんかありません。せっかくの人生、諦めていたらもったいないです」・・・『諦める』と『慣れる』とは、全然違います。タメ息なんかついたら、マジもったいないです。

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これからが一番楽しい!

先日、生活習慣に関する講話をさせていただいた対象は、退職数年前の世代。毎年、この時期に同じ世代に話してきましたが、とうとう今年は、わたしが対象者と同じ歳になりました。今まで他人事だったけれど、いざ自分自身がその立場になってこれからの人生をどう生きるか考えたとき、少なくとも自分は、『健康であることを目指して生きていきたい』などとは思わないな、ということに気づきました。

わたしは、これからの人生が、自分の人生の中で一番楽しかった!と思えるような生き方をしたい。死ぬときに、「くそ〜楽しくてたまらないのにもう逝かんといかんのかいな、まだ、あれもこれもしとらんのに、もうお迎えのときか〜! 残念!」とか云いながら、未練タラタラでポックリ死んでしまいたいのです。

健康でいるために自粛と節制の日々を過ごしているだけでは、それは実現しないことくらいわかっています。さあ、今から勝負、勝負! 抗加齢学会の坪田一男 先生のいうところの『ごきげんな人生』を送るために、何をしてやろうぞ!

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くどいようですが。

今までにも何度も書いてきましたけどね。

7月からまたまた色々なものが一斉値上げ。マスコミは、タバコの話題以上に絶対触れないのですが、食材が値上げされたのだから、素直に買う量を減らしましょうよ。

今が、日常の食を改善させる最大のチャンスなのですよ。チョコレートの値上げはしょうがない。でも、パンや調味料のような日常的に口にする食材の値上げは直接家計に響くのだから、是非、初めから買う量を減らして、作る量を減らしてやってくださいな。な~んも困りませんけん。テレビでは、「パンをお米に変えると良い」とか「できるだけ安売りしているスーパーを探して買うのが賢い」とか云ってますけどね。

その、あなたの目の前に寝そべっている肥満児のわが子とメタボのダンナとくびれのなくなった腰に悩む自分と、皆が『食いすぎだ!』と自覚しているのだから、事は極めて簡単じゃないですか。「お金がないから、今までの半分しか作らないからね。覚悟して諦めな!」と勇気を持って宣言すればいいじゃないですか。「毎日食べるもの」だからこそ、今しないで、いつしますか?

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皮膚科に行ってきた

手足の湿疹が2か月以上良くならないので、やむを得ず皮膚科に行ってみました、9年前にストレスによる円形脱毛症になった時以来の受診でした。

まあ、何というか。皮膚科の先生ってホントありふれた湿疹には興味がないんでしょうね。ジーンズを上げて広範囲に真っ赤になっている向う脛を見せたけど興味が全然なかったようで、遠目で見て「ふーん」とも云わなかったな。前腕の湿疹をみて、「あ、問診票は『手』と書いてたから掌だと思ったら腕なんだね」て云いながら、電子カルテの絵の赤い点々の場所の修正をしてました(手足口病かもしれないと思ったのか)。結局、触ることもなく、覗き込むこともなく、とりあえず1週間分のお薬を処方されました。「もしこれで良くならなかったら、また来て」ですってさ。

なるほどね。患者さんがグチるのが何となく分かる。これでスッキリ治ったらOKなんだ。でもこれで良くならなかった日には、「あの医者は、診もしないで処方した」「あの、上から目線の態度は何だ!」と云って廻るのでしょう。処方した側は、『とりあえずのスクリーニング』の意味だけなのでしょうけど、治っても治らなくても結局次には行かない気がする・・・(ありふれた湿疹だから、相手としてもそれで良いのか)。

ま、専門医が興味を示さなかったことにわたしは内心安堵しています。良くなろうとなるまいと、がんや内臓病みたいなやっかいな病気の可能性は低いということでしょ。良かった、良かった。

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融通のきかないコンシェルジュ野郎

今週の月曜日に職場のイントラネットのメール機能が突然変わりました。メーラーが替わったようで、朝からあちこちで右往左往。使い方を確認するためにメールを開けることもできないのだから、そりゃ慌てますわね。慣れないものなのに、相手の要求に一言一句間違わずに答えてやらないとうんともすんとも云わない。コンピューターというものは便利なものでホント面倒くさいものだ。

この融通のきかないコンシェルジュ野郎ときたら、こっちから歩み寄ってやらないと何もしやがらねー!!と独り言(笑)

もしや、最近の若い子たちは、子どもの頃からこんな融通のきかないコンシェルジュ野郎に鍛えられて育ってきたために、こっちからきちんと指示してやらないと何もしないのが当たり前と思うようになったのじゃないでしょうね。

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