全粒穀物とうつ病
「丸ごと食べる」という概念は、太古から食事の大原則でしたし、自分が生き延びるために「食べさせていただく」という考え方がきちんと確立していた時代は当然のように残すことなく丸ごといただき、自然の恵みへの感謝の気持ちをもったものです。栄養学が学問として頭でっかちになり産業革命で必要なものだけを抽出するようになり、「効率的」ということばのもとに「加工」が始まったときから、人類は本来備わっていた自らの生命を構成する細胞の一つ一つを破壊し始めてきたのだと感じています。
<精製された炭水化物がうつ病を引き起こす 野菜や全粒穀物で予防>
この場合の全粒穀物が「丸ごと」に入るわけですが、白米や白パン、加糖飲料などの精製された炭水化物はGI値が高く、これを摂取するとインスリンが過剰に分泌されて、インスリンのもつ脂肪合成を高め分解を抑制する作用によって脂肪が蓄積されやすくなる、とうメカニズムはここでも何度か紹介してきました。今回紹介する論文は、女性で高GI食や精製炭水化物、あるいは加工された糖分を取るほどうつ病になりやすく、逆に全粒穀物、野菜、果物、食物繊維を多く摂取していた女性ではうつ病のリスクが減少していた、というものです。
低GI食を摂ってもインスリン感受性や血圧の改善は見られなかった、という報告を紹介したばかりで、GI値と肥満や糖尿病の話題でうんざりしているヒトも、「うつ病」と聞いたら重い腰を上げる気になってくれるかもしれません。ちなみに、わたしは子どものころから全粒穀物や野菜ばかり食って生きてきたし「残してはいけない」教育の元で皿の上がすべてなくなるまで(魚の骨のでっかいところは別ですが)舐め尽くしてきましたから、個人的にはあまりココロにひびく論文ではありませんでした。
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