モチベーション作りの難しさ
最近、健診結果の説明をしててよく思います。毎年毎年同じような値が結果表に並んでいて、診察室に入ってくるなりクビをすくめながら薄ら笑いを浮かべる受診者のおじさん方。微妙に異常で、年々少しずつ悪化しているけれど、クスリを飲まないといけないほどひどくない。かといってこのままほったらかすと、近い将来に何かが起きそう。こんなヒトにどんなアドバイスをしたらいいのでしょうか?
わたしに指摘されるまでもなく、それが微妙にやばいことは本人もわかっているのです。でも、微妙にやる気が起きないでしょう。だって、歳をとったことを除けば大して値に変化もなく、さらに痛くも痒くもないのですから。理屈だけでは人間のココロとカラダを動かせるだけの力は生じません。そこにヤル気を生まれさせるには?
「まあ、いつものようにできるだけ文句をつけてみましたけどね、今日、帰りに心筋梗塞になっても全然驚かないデータではあるんですけどね、でもこれじゃあなんかヤル気が湧いてこないと思うんですよね」・・・診察室のドアを開けながら素直にそう話すと皆さん苦笑いをしながらついてきます。「良いアドバイスをしてあげられませんが、何か人生の楽しみを見つけてモチベーション持ってがんばってみてください」と云うのが、わたしの送ってあげられる精一杯のエールです。
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