PSAが反応しない前立腺がん
人間ドックの検査ではポピュラーなPSA(前立腺特異抗原)についてです。
先日、友人と話をしていて、友人の知人にPSAが正常範囲内なのに前立腺がんになって手術を受けることになった人がいるということを聞きました。PSAは一部の小細胞癌や神経内分泌性腫瘍などで上昇しないことがあることは知っていましたが、それはごく稀(全体の2〜3%)で、ほとんどの場合はPSAが正常範囲なら心配しなくても大丈夫だと認識していましたので、こういう話を聞くとちょっとショックです。しかも、この人が病院受診をした理由は、毎年の健診結果を並べてみたら値は正常範囲内だけど経年的に少しずつ増加していたから、とのこと。そんなこと気にもしてませんでしたし、受診者さんに質問されて、「正常範囲内の変化は心配しなくて大丈夫です」と堂々と断言していたわたし。たしかに、調べてみると、「数値が基準値内であっても、1年で0.75ng/ml 以上上昇したら、または2年で2倍以上になったらがんを疑え、とも言われています。基準値内でも毎年上昇が見られたら、これもまたしっかり経過を見ていく必要があります」と書かれていました。
もっとも、前立腺がんは進行がとても遅いがんです。「80歳代の約4割が前立腺がんを持っているが、その半数は前立腺がんで亡くなることはないと云われている。すなわち、前立腺がんの一部は、発見、治療が不要なおとなしいがんなのだ」と云われており、それが健診でのPSA検査が無用の長物だと揶揄される所以です。
わたしにウソ情報を握らされた皆さんが、今でも何事もなく無事であることを切に願います。
この機会にこんなページをご紹介しておきましょう。
『前立腺ケア.com』
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