「前糖尿病」状態
米テンプル大学(フィラデルフィア)のGuenther Boden 氏らの研究によると、正常体重または過体重の健康な男性6人に、ピザやハンバーガーからなる典型的な米国の食事を1日6,000kcal、1週間続けて摂取してもらった上に、入院して運動を禁止し、詳細なモニターを行ったところ、1週間で体重が平均3.5kg増加し、短期間でインスリン抵抗性状態が誘発されたそうです。
過剰な食品を摂取することで細胞毒性をもつ活性酸素が過剰に産生され、それによって引き起こされる酸化ストレスが引き金になると考えられ、実際被験者の検体から酸化ストレスに関与するタンパクの上昇が確認されたと書かれています。それと、Boden氏曰く、「酸化ストレスがグルコース輸送担体蛋白質であるGLUT4の不活性化を誘発し、この変化がインスリンに応答してGLUT4が糖を取り込む能力に影響を及ぼし、インスリン抵抗性につながっているのではないか」・・・ここでも何度か書いたことのある「GLUT4」です。インスリンの機能が落ちていても運動などで血中グルコースを細胞内に運ぶ担体になれるGLUT4です。これって、短期間過剰摂取によるというよりも運動を徹底して禁止させた影響ではないのでしょうかね?
結局は「日々の食事と運動が大事」ということになるのでしょうか。あるいは、「抗酸化療法やGLUT4を標的とした新しい治療の開発」によってふしだらな生活していても健康でいられるようになることを求めるのか(それこそ、「健康」の定義は何?と云いたくなりますけど)。
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