がん検診
有名女優さん、男優さんが立て続けにがんとの壮絶な戦いを経て、舞台降板の数週間後に逝ってしまいました。張り詰めていたものがふっと消えた瞬間、一気に奈落に落ちていく。もはやそこで踏みとどまって這い上がる力は戻ってはこない。奇しくも舞台人二人の生き様は、舞台人として最後の勇姿をファンに見せて挨拶させるだけのために寿命を延ばしてもらっていた気がします。人間ドックで早くに発見できていただけに残念な気もします。
女優が逝った日、乳がん手術を受けたタレントさん。無事に成功したのだけれど、毎年検診を受けていたのに大きな手術を余儀なくされたことに話題が移っていこうとしているのが気になります。
がんは症状が出てから検査したのでは遅い。とにかく日頃から定期的に検診を受けておくべきだ。それもせずに手遅れになるのは自業自得だ、という空気の時期を経て(職場の、最低限しかしない健診で受けた気になるなよ、という脅しも含めて)、特に乳がん検診や婦人科検診は病気を経験した有名人に出てきてもらって啓蒙啓発してもなかなか受診率が上がらない中、「受けてても進行がんになるんだったら意味ないじゃん」とか「マンモグラフィーの被曝ががんを誘発してるんだ」とかいう意見がピックアップされてSNSに乗っかってしまうと、受診率が再び頭打ちし始めるのではないかと懸念します。マンモグラフィーと乳腺エコー、触診の併用をしていても見つからないもの、検査の後に一気に進行するもの、あるいはわたしの知人のように早期発見できていたのに治療が効かないタイプのもの、某外国女優さんの決断で有名になった遺伝性の極めて強いものなどは確かにあります。そればかりがセンセーショナルに報道されるがために誤解されそうですが、その他の多くは地道な定期的検診受診のおかげで早期発見できており、術後に普通に社会で生活されています。そこのところを報道、マスコミは曖昧な表現をせずにしっかりと強調してほしいものだと思います。
某テレビ局が最先端検査機器PEMの紹介をサラッとしましたが、あれは乳腺専用PET(ポジトロンCT)検査機器です。あれは、特殊で高価な機械で限られた施設でしかできないものであることもきちんと報道してほしかったです。
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