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カタルシス効果

昨日紹介した<過度な「お一人様志向」が招くメンタル危機>で強調されたことは、ココロの不調を訴える人の多くの問題点は日頃からリアルな対人接触が少なく、職場や学校から帰ったらその日の些細な出来事やその時に思った小さな変化を誰かにリアルタイムで話す場がない、ということです。

この小さな悩みや怒りをその日のうちに誰かに話すだけですっきりした気持ちになることを『カタルシス効果』(心の浄化作用)というのだそうです。そのメカニズムは本文を読んでもらうとして、このカタルシス効果を得るためにSNSは有効だけれど、「SNSがリアルを超えることは決してありません」というくだり、重く受け止めております。わたしの場合は、たとえスマホゲームをしながら完全に聞き流されているとはいえ、毎日妻に些細なことを話している分カタルシスになれているのでしょうか(散歩の間中、「そんなことをボクに云ってもしょうがないでしょう」と思うようなことを云い続けている妻は、絶対カタルシスできているなと確信)。

自殺者の7割は男性で、それは男性の方がなかなか本心を話せないことが一因だと書かれていました。男性はこのカタルシス効果を得るような行動が少ないからだ、と。たしかにわたしも、妻のグチは聞くだけ聞くけど自分から同じようなグチを語ることはない。友人にも同僚にもない。SNSでもほとんどない。ただ、男性の方がカタルシス効果が得られない本質的な理由はそれではないように思います。「女性はね、会話に結論なんて要らないの。解決しようがしまいが話してしまえば満足するのよ」・・・「そんなグチは相手に直接云わないと意味ないでしょ!」「話してるのに聞き流すなよ」と文句を云ったときの妻の反論。これが蓋し正論なのではあるまいか。他人に話すだけでココロはリセットされるなんてこと、多くの男性には合点がいきますまい。

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