日記帳(後)
(つづき)
自分だけの日記帳を若いころ書いたことがあります。誰に読ませるわけでもない日記帳でしたが、『オレってすごいよな』『オレは天才かもしれない』と書いたことはありません。『あいつのせいで負けた』『あいつさえ居なければ毎日がバラ色なのに』みたいなグチを書いたこともありません。毎日の日記を書いている最中にはそんなことばが大量にアタマの中を渦巻いて通り過ぎたとしても、それを文字にすることはない。あるいは、若さにまかせて物凄くエロいことやグロいことを想像したとしても、自分だけの秘密の日記帳だとしても、まるで男子トイレの壁に書かれた落書きのようなことを書くことはありませんでした。もちろん、健全な男子であったから、アタマの中がそんなことで一杯だった時期は当然あったわけですが。
自分の秘密の日記帳であれ、だれが読むかわからないブログであれ、何かを書こうとアクションするときに、結果として文字に残った形がどうこうではなく、刹那刹那にアタマの中を大量の映像や文字が駆け抜けていく中で、自分のココロの中を自分自身にきちんとわからせられる一番良い表現を探している、そのプロセス自体が重要なのではあるまいか。なんてなことを思う今日この頃です。
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