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基準の違い(前)

「貴センターでの人間ドックでHbA1cが6.0%で糖代謝異常と評価されたために近くの内科に行って再検査してもらったところやはり6.0%だったけれど正常範囲内だと云われました。これはどう考えたら良いのですか?」

ある人間ドック受診者さんからこんな質問を受けました。ごもっともなご指摘です。HbA1cというのは、血管内にいつまでもある余剰の血糖が血管内のタンパクに結合する習性を利用してヘモグロビンと結合したグリコヘモグロビンの量を測定することで適正に血糖量が維持されているか評価する値ですが、日本糖尿病学会から出されている判定基準によると6.5%以上が『糖尿病型』、6.0~6.4%が『境界型』、5.6~5.9%を『正常高値』と定義されています。だから日本人間ドック学会は6.0%以上に”異常”の印を付けます。ところが、糖尿病の治療をするにあたって、「HbA1cが6.2%以下に維持するのがエクセレント(優)」と評価されることを踏まえて、クリニックなどの基準値は「6.2%未満が正常値である」となっているところも多いようです。

つまり、5.9%以下は正常で6.5%以上は異常で、その間が境界型なわけですが、この”境界型”の取り扱いが何を基準にするかで食い違ってくるのです。糖尿病かどうかを判断する臨床現場は「病気でないものは正常」というスタンスですが、これはわれわれ予防医療の常識である「正常でないものは異常」の考え方と微妙にズレています。   (つづく)

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