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妄想の時間

先日受診された妙齢の女性は、忙しい自営業に加えて、1年前に突発性難聴に罹って以来、動悸や耳鳴りや肩こりやに悩まされる日々で、とても憂鬱そうな顔をされていました。彼女に必要なのはクスリではなくて休養の時間だということが容易に想像できます。でも、どうやったらいいのか?

わたしは、毎日一時間の散歩の時間を作ることを提案しました。自営業なのだから、どんなに仕事が繁盛して忙しくてもその時間を捻出することくらいできます。もちろん、朝日を浴びながら外を歩くとセロトニンというホルモンが分泌されてとてもココロが癒される、ということはむかしから云われているのでご存知の方もおりましょう。

ただ、今回わたしが散歩を提案したのは、運動療法のためではなく、単純に、ぼーっとする時間を作るためです。だから別に早歩きやスロージョギングである必要はありません。公園などをチンタラ歩きながら季節の変化を愛でる中で、 仕事を忘れて妄想の時間を作ってほしいと思うのです。もともと彼女の仕事は毎日かなりの活動量ですから、仕事だけで 身体活動量は十分に確保できています。でも、得たいのは活動量ではなくて妄想量なのですから、たとえ忙しくても、あえて何とか時間を一時間捻出して一人で散歩に出てほしい。だれにも邪魔されずに楽しい妄想に耽ってほしい。わたしのそんな提案に、彼女は小さくうなずきながら初めて笑ってくれました。


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