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「遺伝子検査」(外伝)

せっかく濃厚な講演を受けたので、本筋とは若干ちがったところで、わたしが食いついてしまった話題を書き写しておきます。

●人類遺伝学の立場から、アルコールの強さは人種で差があることは有名で、筑波大学の原田先生の研究によると「ALDH2遺伝子のA型(N型)変異は酒豪タイプである」という。そしてその分布の地図が面白い。

・世界地図を見ると、飲めないタイプ(ND型・DD型)があるのは日本人、中国人、朝鮮人、タイ人のみである。つまり、酒が弱いのはこの極東アジアの限られた人種だけである。
・日本地図を見ると、中国・近畿・北陸・東海に飲めないタイプG型(D型)が多く、東北/北海道と九州/四国には酒豪タイプA型(N型)が多い。

ということは、もともと日本人は酒が強かった(熊襲やアイヌのような日本古来の人種は本来酒に強かった)わけで、大陸から渡ってきた人種と交じり合うことで弥生時代に酒に弱い人間が生まれ始めたのではないか、って・・・面白いでしょ。

●ゲノムの解析から病気や体質には多くの遺伝子と環境因子が複雑に絡み合っていることが分かってきましたが、その各々の因子(SNP)の影響はさほど大きなものではない。個々の発症リスクは1.1~1.3倍増加させるという程度である。つまり、たとえば「がんに成り易い因子」を持っているかどうかということよりも、タバコを吸うか吸わないかの方がはるかに意味がある(喫煙は各種がん発症を3~7倍増加させるから)ということです。喫煙者の皆さん、おわかりか?

●得られた遺伝情報を普通の健診結果や外来カルテと同等の管理方法で良いのかどうか?という医師に対するアンケートによると、遺伝情報はより厳格にすべきだという意見が52%ありましたが、「病気のリスク遺伝子を持っているかどうかなんて、タバコ歴があるかどうかと同じ次元の情報なのだから、喫煙歴と同じ扱いで十分ではないか」という意見もあったという。そりゃあそうだ!と拍手を送りたかった。

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