肥満パラドックスの論議
CareNetで配信されてきた<喫煙と体重歴の調整で「肥満パラドックス」は消失する?>という話題。何となく内容は想像できましたが、つい読んでしまいました。
糖尿病や心疾患などの慢性疾患患者は肥満の人の方が標準体重の人より長生きだ、というのがいわゆる『肥満パラドックス』なわけですが、肥満に影響を及ぼす『体重歴』と『喫煙歴』という2つの因子を調整すれば、やはり太っている人の方が危険だという結論になる、という報告が「Obesity」9月30日オンライン版に掲載された、とのことです。
「重病の人は死期が近づくと体重が減る傾向にある」というのと「喫煙者が肥満であるケースは少なく、肥満者の喫煙率は高くない」というのを考慮すべきである、と云っているようです。タバコの件はむかしから云われていることで、体重と生存率の関連がU(V)字曲線になる(体重は多すぎても少なすぎても死亡率が高い)理由は喫煙者のやせのせいだと解説されてきました。
一方、体重は結局「今がやせていても以前太っていた人」(わたしみたいなタイプ)がリスクを上げているとまで云われると、若い頃から標準を維持している人でないとダメという結論になりそうで、ちと不満足。たしかに今の私には動脈硬化の危険因子である冠動脈石灰化がバリバリではありますから、あまり大きな口はたたけませんが。それでも、「たとえ大きなダイエットをしてもその後にリバウンドを繰り返してしまうと最終的にやせていても太っていても心疾患の危険性が高くなる」というデータがむかし発表されましたが、わたしが理解できるのはここまでですね。
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