治療すべきか
先日、わたしが産業医をしている企業の従業員の女性と電話でお話をしました。健診結果をもとに内科受診を促すのが目的で、遠方の支所で働かれているので電話面談をしたわけです。アラフォーのその女性のLDL(悪玉)コレステロール値が200を超えていたからなのですが、一昨年も190弱で受診干渉をした記憶があります。この女性、それなりに一念発起してその一年後には160まで下げただけではなく、HDL(善玉)コレステロール値も50台から60台まで上げることができましたのに、今年はHDLは70弱と横ばいなのにLDLだけが跳ね上がったようです。「何か心当たりはありますか?」とお聞きしたら、「今年は仕事が忙しくて帰りが遅くなったのと仕事中にお菓子をたくさん食べましたね」との冷静な分析の返事が返っていました。
正直云ってこの方のコレステロールは問題なのか?という疑問が払拭できません。更年期はまだまだ先、脂質以外はすべてが正常で肥満もやせも喫煙もない、HDLも決して低くないとなると、「少なくとも内服治療は要らないだろう」と思うわけです。でも、産業保健師さんは「先生、だってやっぱりLDLが200を超えるのは問題でしょ?できるだけ早く下げないと危険ではないですか?」と首をかしげます。来年度から適用される『共用基準範囲』と比べてもはるかに高いのです。でも、「他にまったく危険因子がない上に、HDLも高いままキープできているからねえ。しかも単なる体質かと思ったら去年の結果からすると”やればできる”んだもんねえ」・・・わたし的には病院にかかること自体が必要なのかどうか?と疑問なのです。ただ、やはりできたらLDLは去年並みには下がっておいてほしいとは思います。おそらく夜の食生活と昼の間食を去年のものに戻してしまえばいいだけだと思うのですが、去年の生活はそんなに重荷だったのかしら。
企業健診を受けざるを得ない妙齢の女性の方々、この手のことで悩んでいるヒトは多いことでしょう。食生活が乱れまくっている方でなければ内服は要らないと思いますが少なくとも健診ではひっかけます。必ず外来受診の指示も出ます。こんなときの駆け込み寺を担保するためにも、ぜひ”かかりつけ医”をお持ちください。
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コメント
お久しぶりのコメントです。
全く同じことの悩みを抱えています。
私も毎回引っかかり、かかりつけ医から服薬を薦められ、もう少しもう少しと何年も断ってきました。
この秋とうとう服薬。すると腕に筋肉痛が!!服薬をやめてそのままです。
年齢的にも仕方ないと思ったり、本当に血液がどろどろ?などと考えてしまいます。
悩み多き年頃です(^^)
投稿: karakara | 2015年12月29日 (火) 10時59分